Horikawa lab@Paleoceanography and geochemistry

Keiji Horikawa, Ph.D. Professor, University of Toyama

Our laboratory

私たちの研究室では,過去に起こった環境変化とその影響を堆積物試料や生物試料の化学的な分析から詳細に復元しています。過去の環境変化とその影響に関する知見を蓄積し,理解することで,将来の地球環境の理解や気候予測に貢献したいと考えています。具体的な研究としては,海洋堆積物,海水,河川水などを研究対象とし,野外での試料採取室内での化学分析を行っています。

Our laboratory mainly focusses on reconstruction of past climate changes and understanding of climate systems by analyzing trace metals and their isotopes of marine sediments, foraminifera, seawater, and river water. Obtaining the advanced knowledge on the past climate changes will contribute to better understanding of near future climate states and climate prediction.  

卒論生のPb同位体比分析のために京都の地球研へ訪問。新幹線が敦賀まで延伸したので,富山ー京都は2時間に短縮され,近くなりました。

南極IRD試料中からカリ長石を拾い,1粒子づつPb同位体比の分析をしてますが,鉱物粒子の同位体比データをレーザーではなく,溶液で出すのは,実際にやってみるとなかなか大変ですね。学生も苦労しているので,新しい展開につながるような面白い結果が得られることを期待しています。(2024/12/12)

北大低温研で行われた「過去 2000 年間の北極海古環境に関する研究集会」(Holocene Arctic Palaeoclimate and Palaeocean Investigation; HAPPI)に参加し,卒論生が研究の進捗状況を報告しました。(2023/11/2-5)

西部北極海のバローキャニオンで採取された堆積物コアについて,砕屑物のネオジム同位体比を分析したところ,中世温暖期や小氷期,人新世に明瞭な同位体比のシフトが見られ,気候状態に応じて西部北極海で大規模な海流系の変化があったことが分かりつつあります。

Exp379 ポストクルーズミーティングドイツ・ハイデルベグル大学で行ってきました。(2023/5/2-4

海氷の張り出しによって,当初予定したサイトでの掘削ができなかった航海ですが,南極アムンゼン沖で採取できた2つのコアは5Maまでの連続的な氷期ー間氷期記録を含んでおり,どの境界条件の氷期ー間氷期でどの程度西南極氷床が融解したかを解析できる南極域で唯一のコア試料であることがわかってきました。この航海の成果は,夏以降論文として公表されていくと思います。

研究成果


修士課程2年生の藤本美柚さんが,2022年11月4日・5日に開催された第8回地球環境史学会年会において,学生発表賞を受賞しました。

発表題目:大陸基盤岩および砕屑物の同位体データを用いた西南極氷床融解域の推定

GEOTRACES航海@白鳳丸KH-22-7


北太平洋155E測線で白鳳丸航海を実施しました。

今航海で,マリアナリッジ,オントンジャワ海台,シャツキーリッジでピストンコアを採取し,オントンジャワ海台とシャツキーリッジでは回収率100%のコアが得られ,マリアナリッジでは北太平洋亜熱帯域で貴重なコアが採取できました。試料に興味がある方はご連絡ください。

粒子自動ピッキング装置@AIST

産総研(板木さん)を訪問し、粒子AI画像判定システムでカリ長石粒子のAI画像判定のテストを行いました。うまくいくと、堆積物中の多量のカリ長石をAI判定と自動ピッキングデバイスを使い、高速に拾え、多層準で個別粒子の同位体比分析が可能になります。

新年度が始まりました

理工学研究科に加え、大学院持続可能社会創成学環のグローバルSDGsプログラムにも兼担で関わっています。

修士課程、博士課程への入学に関心のある方、お気軽にご連絡ください。研究室訪問も歓迎しています。

https://www.gss.u-toyama.ac.jp/program/global_sdgs/

弘前大・田副ラボでDGAレジンを使った海水中のネオジムの単離を教えていただきました(1/24-28)

非常にスマートな方法で、今後の主流な分離法になりそうです。

弘前城の目の前にあるスターバックスもレトロでいい雰囲気でした。


Tazoe et al (2021) https://doi.org/10.1016/j.talanta.2021.122435

軽元素同位体質量分析計(delta v advantage, thermo)を導入しました。(現在立ち上げ中。11/11)

この機械で,炭酸塩の炭素酸素安定同位体比や海水の水素酸素同位体比,堆積物の炭素窒素硫黄安定同位体比が測定できます。


軽元素massの他にも,主要な分析機器が揃っていますので,水試料や堆積物試料による同位体分析や微量元素分析などから環境解析をしてみたいという大学院生を広く募集しています。

 


Zhong, Y., Liu, Y., Du, X., Shi, X., Xu, X., Lu, Z., Kaboth-Bahr, S., Dekkers, M.J., Larrasoaña, J.C., Horikawa, K., Sun, C., Ning, L., Bahr, A., Zhang, Y., Zhao, D., Liu, J., Xia, W., Zhang, J., Yang, S., Li, H., Liang, X., Hong, C., Dai, Z., Li, Y., Liu, Q., 2024. Pacific Walker Circulation modulated millennial-scale East Asian summer monsoon rainfall variability over the past 40 kyr. Global and Planetary Change 104676. https://doi.org/10.1016/j.gloplacha.2024.104676


Yi Zhong, Ning Tan, Jordan Abell, Chijun Sun, Stefanie Kaboth-Bahr, Heather Ford, Timothy Herbert, Alex Pullen, Keiji Horikawa, Jimin Yu, Torben Struve, Michael Weber, Peter Clift, Juan Larrasoaña, Zhengyao Lu, Hu Yang, André Bahr, Tianyu Chen, Jingyu Zhang, Wei Cao, Wenyue Xia, Sheng Yang, and Qing-Song Liu. 2024. Role of land-ocean interactions in stepwise Northern Hemisphere Glaciation. Nat Commun 15, 6711. https://doi.org/10.1038/s41467-024-51127-w

Okazaki, Y., Onodera, J., Tanizaki, K., Nishizono, F., Egashira, K., Tomokawa, A., Sagawa, T., Horikawa, K., Ikehara, K., 2024. Silicoflagellate assemblages in the North Pacific surface sediments: an application of the modern analog method to reconstruct the glacial sea surface temperature in the Japan Sea. Prog Earth Planet Sci 11, 62. https://doi.org/10.1186/s40645-024-00661-8


浮遊性有孔虫一個体ごとのMg/Ca比の分析を簡便に行える洗浄システムの開発と一個体ごとのMg/Ca比の分析を東海沖のコア試料に適用し,黒潮大蛇行の発生頻度を解析しようとする研究になります。22年の卒論生に検討を開始してもらい,別の修士学生が再実験と洗浄システムの改良を現在行なっています。


北大関研の飯塚さんがD論で取り組んだ研究が出版されました。ネオジム同位体の前処理を富山大で手伝いました。


張先生の学生さんが筆頭で書かれた論文が出ました。


海洋表層水の酸素同位体比と塩分の関係が,ENSOに応じて赤道・亜熱帯域で大きく変化することを示しました。

https://doi.org/10.26022/IEDA/112770 (reposited in the EarthChem database) 

https://www.jstage.jst.go.jp/browse/chikyukagaku/list/-char/ja

卒業生の小坂さんが卒論から修論にかけて分析したデータが主になっている研究成果。ハインリッヒイベント1に見られる北太平洋の中深層水の形成に,ベーリング海とオホーツク海での中層水形成が関与しているものの,外洋の深層水にはベーリング由来の水塊の影響がより強いことを鹿島沖と天皇海山列の堆積物コアのネオジム同位体比から明らかにした内容。(2021/9/22)

Research

温暖化環境下での南極氷床の融解メカニズムと融解量の解明 

Collapse of the Antarctic Ice Sheet in warm Pliocene

海洋循環の解析 

Reconstruction of ocean circulations based on Nd isotope analysis 

有孔虫殻の微量元素分析

Reconstruction of seawater chemical compositions from Mg/Ca and Ba/Ca...of foraminifera

海底堆積物試料を使った古環境解析

 Analysis of trace metals and isotopes of marine sediments for sediment provenance studies (Sr, Nd, and Pb)

海水や河川水試料の分析

Measuring seawater Ba isotopes and Nd isotopes, and making geochemical maps of river waters etc...

大学院生を募集しています

野外での調査や化学分析,古環境学,あるいは機器分析に興味のある学生を歓迎します研究室訪問はいつでも歓迎いたします.

他大学や他分野からの大学院の進学も歓迎しています。

2024年度 研究室メンバー

Kaken // 日本の研究.com // Research map // Researchgate //

修士2年 2名,修士1 4名,学部4年 2名

指導方針