事情があって去年まで修論指導をしていなかったのですが、今年から学生をとることになりました(*1)。現状で考えられる研究テーマやセミナーで読みたい本、諸々の説明などをこのページにまとめておこうと考えています。
原則的に皆さんのやりたい研究テーマ・読みたい本などがあればそちらを優先したいと考えています(*1)。私の研究テーマから離れたものをご提案いただいても大丈夫です。その場合は指導するというより一緒に勉強するような形になると思います(*2)。
思うところがあって隠れマルコフ過程の統計推測を勉強したいと考えていて、いま最も興味があります。具体的には Fukasawa (2021) で考えられている Stochastic hybrid system (SHS) の適当な離散版を考えて、Cappé et al. (2005) などで隠れマルコフ過程の統計推測理論を勉強しながらそのモデルへの応用可能性を探ります(*1)。離散時間で何が起こってるか大体理解できたら連続時間へ拡張します。
Kukush et al. (2021) でドリフト付きの mfBm (mixed fractional Brownian motion) のパラメータ推定が考えられています。Dozzi et al. (2014)の結果を用いてハースト指数を推定したあとドリフトパラメータをプラグイン推定量で推定しているのですが、実はこの結果はもう少し精緻化することができます(*1)。
Ibragimov & Khasminskii (1981) の理論は漸近論の強力なフレームワークであり、これに基づく形で Kutoyants (2004) や Yoshida (2011) などで拡散過程のパラメータ推定が考えられています。 確率微分方程式が fBm (fractional Brownian motion) で駆動される場合もこのフレームワークで扱おうという試みが私のこれまでの研究(Chiba (2018), Chiba (2020))でした。こっち方面だと例えば
Chiba (2020) の結果を離散化する(*1)、とか
H>1/2 のときの尤度解析を行う(*2)
というテーマが考えられます。
思うところがあって無限次元の系やSPDE周辺にも興味があるため(*1)、Da Prato & Zabczyk (2010) などを読みたいという声も歓迎します。
arXiv は平日のログインボーナスであり無償で回せる論文ガチャです。何はなくとも math.ST と math.PR は毎日チェックすると良いと思います。
arXiv や Project Euclid で知ってる単語や興味のあるキーワードで色々検索してみると面白いです。例えば "linear regression"、"fractional Brownian motion"、"hidden Markov model" など…。(*1)
日本の統計関連情報(公募や集会情報など…)に関しては日本統計学会の stats というメーリングリストに登録すると良いです[Link]。
海外研究集会の情報は IMS (Institute of Mathematical Statistics)の Meetings ページに(ある程度)まとまっています[Link]。
教科書や論文で名前を見た研究者はとりあえず検索してHPを見てどこの機関でどういう研究をしてる人なのか調べてみると良いかもしれません(*2)。
最終更新 2022.03.22