突発的な事故により固定資産に加えられた損害について支払いを受ける保険金等は、事業用・非事業用にかかわらず、所得税が課されません(非課税です)。したがって、事業所得の計算において、雑収入として計上しません。
ただし、その固定資産の損失の金額を必要経費に算入する際に、その保険金等の金額を差し引いて計算します(損失の金額を上回る保険金等を受ける場合は、必要経費に算入する損失の金額は0円で、上回る金額は非課税となります)。
また、修繕費用の金額については、固定資産の損失の金額(保険金等の金額を差し引く前の金額)までは毀損部分の回復の費用(資本的支出)として減価償却費の計算を行い、残りの金額があれば修繕費として、それぞれ必要経費に算入することになります。
※固定資産の損失の金額は、その取得費(減価償却資産の場合は未償却残高)の金額から損害後の時価額を差し引いて計算しますが、便宜的に、修繕費用の金額をもって固定資産の損失の金額とする場合であっても、上記のとおり、固定資産の損失の金額及び修繕費用の金額を、それぞれ必要経費に算入することになります。
※固定資産の損失の金額は、保険金等の有無にかかわらず、減価償却資産の場合は未償却残高から差し引きます。
※固定資産の修繕費用や移転・取壊し・除去費用などの「費用そのものの補填」を目的とした保険契約等に基づき受け取る保険金等は、必要経費を補填するもので、非課税ではありませんので、事業所得の総収入金額に算入することになります。
住宅の取得等に係る「対価の額」とは、新築の場合は「家屋の新築工事の請負契約等の金額」で、分譲住宅や中古家屋の場合は「家屋の売買契約の金額」となります。これらの家屋の敷地を取得した場合は「土地(家屋の敷地)の売買契約の金額」も「対価の額」となります。
住宅の取得等に係る「費用の額」とは、「家屋の増改築の工事に要した費用の金額」になります。
※住宅の取得等に係る「対価の額」とは、家屋及び土地(家屋の敷地)の「対価」そのものであり、印紙代・仲介手数料・融資や各申請に係る手数料などの新築や購入に要した費用及び登記費用などの新築や購入後に生じた費用は「対価」に含まれません。この点、取得等に伴う経済的負担(費用)を含めて計算する譲渡所得の「取得費」や減価償却資産の「取得価額」とは異なることに注意してください。
※家屋の増改築等の工事に要した費用の金額についても、「工事費用」そのものとなりますので、上記と同様に、印紙代等の費用や登記費用等の費用は含まれません。
ただし、「家屋と一体として取得した附属設備の取得の対価」 や「取得日以後居住開始前の修繕費用・耐震改修費用」については「家屋の取得対価の額」に含まれますし、「家屋(又は敷地)の取得と併せて同一の者から取得した器具備品・構築物等でその対価の額がきん少と認められるとき」は「家屋(又は敷地)の取得対価の額」に含めて差し支えありません(措置法通達41-24・41-25・41-26)
※家屋の増改築等工事には、家屋と一体として効用を果たす附属設備の取替えや取付け工事も含まれますが、増改築等工事と併せて行う必要性のない工事や機器等の設置工事等は含まれません。住宅借入金等特別控除の対象となる金額等は、「増改築等工事証明書」の「実施した工事の費用の額等」表欄で確認します。
所得税における「事業を開始した日」(いわゆる開業日)は、「実際に具体的な事業を始めた日(営業を開始するなど、いつでも収入を得ることができる状態となった日)」ですが、消費税においては、「事業に必要な準備行為を行った日(契約の締結、器具備品の購入開始など、事業遂行に必要な準備を行った日)」となります。
所得税と消費税の各事業開始日の「年分」が異なる場合(事業に必要な準備を行った日が開業日の前年である場合)は、「消費税課税事業者選択届出書」や「適格請求書発行事業者登録申請書」(いわゆるインボイス登録申請書)の提出日に注意が必要です。事業に必要な準備を行った日の年末(開業日の前年末日)まで提出しなかった場合、開業準備のために購入等した資産の消費税について、仕入税額控除による還付が受けられなくなる場合があります。
消費税の事業開始と所得税の事業開始は異なることがあることに留意して、届出書類等の提出を何時行うか判断する必要があります。
令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中において登録を受ける場合(注)は、「消費税課税事業者選択届出書」を提出する必要はありません。
(注)インボイス登録申請書の提出日ではなく、登録開始日(登録がされた日)となります。
消費税法では、課税事業者が「適格請求書発行事業者登録申請書」を提出して登録を受けることができる旨規定しているため、免税事業者は「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となる必要がありますが、経過措置(改正消費税法附則及び基本通達)により、上記期間内に登録を受ける事業者は課税事業者となるため、「提出することを要しない」旨定められています。提出した場合でも違法とはなりませんが、調整対象固定資産の取得による仕入税額控除を申告することで、申告義務の期間(いわゆる2年縛り)が延長されます(いわゆる3年縛り)。
この点、免税事業者が、調整対象固定資産の取得による消費税の還付を受けることを目的として課税事業者となり、確定申告によりその還付を受け、いわゆる「2年縛り」の申告義務で終えたい場合は、「適格請求書発行事業者登録申請書」のみ提出し、適時に登録の取り消しを求めておく必要があります。