研究内容 Research theme
研究内容 Research theme
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(理論・実験的研究テーマ)
低融点燃料の燃焼はガスの流れや溶融した燃料の流れといった流体現象と燃焼化学現象が絡む複雑な現象であり未だ詳細は解明されていません.ハイブリッドロケットの高性能化及び新しい燃料や燃焼方式提案を目的として観察窓付き淀み点燃焼器を用いた低融点燃料の燃焼の可視化や温度場計測を行い燃焼メカニズムの解明を目指しています.
(理論・実験的研究テーマ)
ハイブリッドロケットは燃料の寸法スケールが燃料後退速度に影響を与えます(スケール効果).PMMAなど従来の燃料を用いたハイブリッドロケットのスケール効果は明らかになっていますが,低融点燃料を用いたハイブリッドロケットのスケール効果は明らかになっていません.小型モータの実験結果からフルスケールモータの燃焼特性を予測可能にすることで開発にかかるリソースやコストの削減が期待できます.
(実験的研究テーマ)
低融点燃料を用いたハイブリッドロケットにおいて,酸化剤に旋回流を付与することで最大で2.9倍の燃料後退速度となることが分かりました.より高性能なハイブリッドロケットエンジン開発を目的に酸化剤旋回流による低融点燃料の後退速度と局所燃料後退速度に与える影響を調査しています.
(実験的研究テーマ)
低融点燃料は燃料の燃焼速度を示す燃料後退速度が速いですが,溶融した燃料が未燃のまま燃焼室外に排出されることで低燃焼効率となることが課題です.燃焼室後方に邪魔板(バッフルプレート)を設置することで燃焼ガスの流路を妨げ,燃焼効率が向上することが確認されています.より高効率なハイブリッドロケットエンジン開発を目指し,バッフルプレートの形状が燃焼効率に与える影響について調査しています.
(実験的研究テーマ)
ロケットの固体燃料は構造部品の一つであり,強度や接着性が重要になります.本研究室で使用している低融点燃料は複数の樹脂により構成されており,その配分量や樹脂を変更することで機械的強度が変化します.最適な強度と燃料後退速度を持った燃料開発を目的に,構成樹脂含有量や構成樹脂の種類が低融点燃料の機械的強度に与える影響を調査しています.
(数値シミュレーション的研究テーマ)
ロケットの固体燃料は粘弾性材料であり,成型中や運搬中,保管,飛翔中に様々な荷重がかかります.固体燃料はこれらの荷重に耐えることが必須条件となります.低融点燃料がどの程度の荷重に耐えれるのか,どの程度の大きさのロケットにまで適用できるのかを定量的に評価することを目的にしています.固体ロケットやハイブリッドロケットにおいて非常に重要な設計事項ですが,世界的にみても研究事例が少なく課題となっています.燃料の粘弾性特性の把握し,有限要素解析を行うことでそれぞれの運用フェーズにおいて発生する応力の評価と最適な燃料物性や形状の提案を行っています.
その他進行中,予定している研究テーマ (研究室立ち上げ直後なのでまだテーマ数が少ないですが今後より広く深いテーマで研究を推進していく予定です)
●ハイブリッドロケット用燃料の点火エネルギー評価
●固体推進薬の構造成立性評価
●システムズエンジニアリング手法による小型ロケットの最適設計に関する研究
●大型ハイブリッドロケット研究開発
●ロケットをテーマにした工学教育効果に関する研究
....など.宇宙輸送に関する内容でしたら学生さんからの研究テーマの提案も受け付けます.