スカシガイ

Macroschisma sinense (A. Adams, 1851)

レア度:めったに見ない

形態:巨大な軟体部をもつ。貝殻は小さく(2㎝程度)で、靴型である。上からみると長方形で、縦横比はヒラスカシガイより大きい。貝殻の後方に細長い穴があり、水管を出している。穴は殻の中心にむかって細くなる。殻色は個体差が多い。

生息域:北海道南部以南に分布し、潮間帯の岩礁に生息する。転石下面についているが、葛登支ではヒラスカシガイのほうが圧倒的に多い。

生態:C/Nマップと全窒素同位体比を用いた栄養段階の推定によって、本種は底生藻類を起源とする食物連鎖のなかで一次消費者として位置づけられている (Won et al. 2007)。一方、同科のクズヤガイ Diodora sieboldii (Reeve, 1850) は同じ食物連鎖において高次消費者となっている。ヒラスカシガイは糞に藻類断片が含まれるらしいので (Arakawa 1968)、本は植食性のグループであると思われる。

その他:英名を keyhole limpet (鍵穴のあいた笠貝)という

2018年8月 山上
2021年5月 とみよし
2021年5月 とみよし鍵穴だなァ
2021年6月 とみよしそんな殻で一体何が守れると言うんだ
2021年5月1日 りった何も守れなかった
2021年6月@茂辺地 とみよしめちゃおるがな

引用文献:

  1. Arakawa, K.Y. 1968. Studies on the molluscan faeces (III). Publications of the Seto Marine Biological Laboratory, 16: 127139.

  2. Won, N. I., Kawamura, T., Onitsuka, T., Hayakawa, J., Watanabe, S., Horii, T., Takami, H & Watanabe, Y. 2007. Community and trophic structures of abalone Haliotis diversicolor habitat in Sagami Bay, Japan. Fisheries science, 73; 1123–1136.