コムラサキバイ

Hiloa tristis (Pilsbry, 1903)

レア度:いつでも見られる

形態:卵型の巻貝で、非常に小さい(最大3㎜程度)。巻きはゆるく、表面はつるつるチャイロタマキビの小型個体に似ているが、暗赤褐色で模様はなく、石灰質の厚い蓋をもつ。葛登支において石灰質の蓋をもつ巻貝として他にヤマザンショウガイがいるが、本種の蓋は手前側にむかって丸く膨らんでいる点で区別できる。 

生息域:東北地方から北海道に分布し、潮間帯から潮下帯に生息する。葛登支ではアマモやフジマツモの上で普通にみられる。

生態:海草類に依存した生活史をもつ。大槌湾では、アマモ現存量のピークとなる6月から10月の間に卵塊がみられ、稚貝は直達発生する (Toyohara et al. 1999)。

その他:ベニバイ H. variabilis  (Pease, 1861) の北方型とする見解もあり、本種の分類学的位置は十分に議論されていない。ただし少なくとも、両者は巻きの高さや色彩において異なる (木村ら 2016)。

2020年10月 山上口器が緑色
2020年8月 山上若貝
2020年12月 山上フタは石灰質
2021年3月 山上チャツボとの比較
20235月 深澤飼育中に托卵されたらしき個体
20235月 深澤目が合いましたね

引用文献: