ホウセキクチキレ?

Iolaea cf. okutanii

レア度:めったに見ない

形態:トウガタガイ科の一種よりもさらに小さい(1㎜程度)。貝殻は細いこん棒状で、殻表に微細な螺肋を多数めぐらす。眼点は1対、頭部の正中線のすぐ横にあり“寄り目”な印象を与える。匍匐時に体を伸ばした状態でも、頭部の大部分は貝殻に隠れており、眼点は半透明な貝殻から透かした状態でのみ確認できる。足の前端部は丸みをもたせた形で二股状に切れ込んでいる。

生息域:ホウセキクチキレは房総半島、三陸から発見されており、潮間帯の石灰藻や紅藻類にみられるという (堀 1998)。葛登支では石灰藻のなかから1個体みつかった。

その他:日本産トウガタガイ科貝類における最小種として、堀 (1998) によって記載されたホウセキクチキレ “Iolaea okutanii” と同種か、その類似種と思われる(学位論文内で与えられたこの学名は、はたして命名規約的にOKなんだろうか?)。

2021年3月 山上
2021年3月 山上

引用文献:

  1. 堀成夫. 1998. 日本周辺産トウガタガイ科貝類の系統および寄生様式の研究. 東京水産大学博士学位論文.