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レア度：たまに見られる
形態：分厚い貝殻をもつ小型の固着性二枚貝（約20㎜）。左殻で固着し、小さな右殻を受け皿のように乗せている。貝殻表面は板状の突起に覆われ、蝋のような質感をもつ。殻は薄いピンクに彩色される。貝殻を形成している積層構造にもとづいて、比較的新しく記載された種 (Hamada & Matsukuma 2005)。カルサイトの最外層と、その下に2層のアラゴナイト層がある。
生息域：北海道南部から九州に分布し、潮下帯上部の岩礁に固着して生息する。葛登支では沖合の平磯で石をめくると見つかる。
生態：本属はセメント質で貝殻を固着させるが、着底稚貝による初期の付着機構は足糸を用いたものである (Scarpa & Wada 1994)。
その他：英名をJewel box （宝石箱）という。和名は菊猿。猿ってなんだ。
2018年8月 山上
引用文献：
Scarpa, J. & Wada, K. T. 1994. Early development of the Japanese jewel box, Chama japonica Lamarck, 1819, under laboratory conditions. Bulletin of National Research Institute of Aquaculture, 23: 27–31.
Hamada, N. & Matsukuma, A. 2005. A New Species of Japanese Chama (Bivalvia: Heterodonta) with a Calcitic Outermost Layer. Venus, 64: 11–21.
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