オオハクチョウ

Cygnus cygnus (Linnaeus, 1758)

レア度:たまに見られる(冬)

形態:大型のハクチョウ類で、全長約140cm、翼開長は2mに達する。全身白色で、雌雄同色。嘴は黒色の先端部と黄色の基部にわかれていて、前方にむかって斜めにその境界がある。よく似たコハクチョウ C. columbianus は、染め分けの境界がまっすぐ裁断されたようにはっきりしている。

生息域:ユーラシア大陸、北アメリカ大陸に分布する渡り鳥で、繁殖は高緯度地方で、越冬は低緯度地方でおこなう。日本は繁殖地に含まれず、北海道から九州に冬鳥として飛来する。葛登支では冬に採餌中の小群を観察できるほか、春・秋に上空を飛ぶ渡りの編隊を見ることもある。

生態:昼行性の植食者で、水面や水底、干出した泥場で水草や藻類、耕作物の草体や種子などを食べる (Brazil 1981; 嶋田 2007)。一夫一妻で、雌雄ともに子の世話・護衛をする点でカモ類とは異なる。地上に営巣し、雌は平均3個の卵を抱卵する。雛はおよそ35日でふ化し、さらに95日程度で飛べるようになる (Brazil 1981)。

その他:ひとよんで空飛ぶ米袋。近くで見たい場合は、大沼公園の「ハクチョウ台」がオススメ。

2016年2月 りった
2016年2月 りった
2016年2月 りった姿勢を低くし、ジグザグに進みながら近づき、こっそり撮影
2016年2月 りったシティスワン達
2021年1月@大沼公園 大友餌付けされたシティスワンたち、周りはマガモ

引用文献:

  1. Brazil, M. A. 1981. The behavioural ecology of the Whooper Swan (Cygnus cygnus cygnus). Ph. D. Thesis, University of Stirling, Scotland.

  2. 嶋田哲郎. 2007. 水田生態系におけるマガン, オオハクチョウの環境利用. 伊豆沼・内沼研究報告, 1: 27–34.