マコガレイ

Pseudopleuronectes cf. yokohamae (Gunther, 1877)

レア度:たまに見られる?

形態:カレイの仲間は体形、口の大きさ、側線の形、有眼側と無眼側の模様の組み合わせ、各部の鱗などで見分ける。葛登支で見つかると思われる近縁種にはマガレイ P. herzensteini とイシガレイ Platichthys bicoloratus があるが、マガレイは下顎が突出するため口が尖って見える、イシガレイでは側線が胸鰭の上部で湾曲しない、といった違いがある。

生息域:分布の中心は南日本にある、暖海性のカレイ。函館湾にはふつうに生息し、釣りの対象魚である。

生態:北海道では2月~4月頃に、水深10~40m程度の海底に産卵する。多毛類、甲殻類、二枚貝類を捕食するとされ、体長はメスが45㎝程度まで成長し、オスよりも大きくなる。メスの体サイズや成長率が、卵径や仔魚の発達を介して、仔稚魚の飢餓耐性や摂餌率に影響する「母性効果」が知られている(Higashitani et al., 2007)。

その他:筋肉中に凍結を抑制する不凍タンパク質が含まれることが示唆されており、食品冷凍技術への応用が期待される(高橋ら, 2015)。個人的には煮つけ、特に子持ちのメスがとてもおいしいと思う。

2018年10月 山上
2018年10月 山上どこかにいる

引用文献:

  1. Higashitani, T., Takatsu, T., Nakaya, M., Joh, M. & Takahashi, T., 2007. Maternal effects and larval survival of marbled sole Pseudopleuronectes yokohamae. Journal of Sea Research 58: 78-89.

  2. 高橋幸幹・田口尭麻呂・宮城晃太・大瀧恵莉・崎山高明・萩原知明, 2015. 東北産水産物からの不凍タンパク質(AFP)の探索. 日本冷凍空調学会 32(2): 183-187.