セジロハゼ
Clariger cosmurus Jordan & Snyder, 1901
レア度:めったに見ない?
形態:体長は2.5㎝程度、大きくて4㎝程度にまでなる。体は縦に扁平で、岩場での暮らしに合わせているものかと思われる。体の背面と腹面は白く、体側には吻から尾鰭まで続く黒褐色帯がある。この黒褐色帯はほとんどまっすぐで、あまり波打たない。背鰭は2基で、第1背鰭は小さい。各背鰭の第1鰭条に黒点がある。眼の下に5~6対の黒い皮褶がある。この皮褶が白いシロヒゲセジロハゼ C. sp. という種類もいる。
生息域:葛登支では10月夜の平磯?で発見。青森から佐渡島、八丈島まで分布するとされる。
生態:長崎では4~6月に、オスが石の下での卵保護をしていた観察例がある。浮遊仔魚から着底し、生後1年以内に3㎝程まで大きくなって成熟する。小型の甲殻類を主な餌とする(塩垣・道津, 1972)。神奈川県三崎からの1標本をもとに記載されたが、その後は函館からの記録もある(Jordan & Snyder, 1901; Snyder, 1909)。
その他:顔が大きいことや色味から、初めはムスジガジの稚魚かと思っていたが、あちらは幼魚でも眼下に3本の褐色斜線がうっすらと入り、胸鰭にも褐色帯があり、背鰭も1基で長く連なる。よくみたら全然違った…。
引用文献:
Jordan, D.S. & Snyder, J.O., 1901. A review of the gobioid fishes of Japan with descriptions of twenty-one new species. Pros. U. S. Nat. Mus. 24 (1244): 33-132.
Snyder, J.O., 1909. Japanese shore fishes collected by the United States Bureau of Fisheries Steamer "Albatross" Expedition of 1906. Pros. U. S. Nat. Mus. 42: 339-450.
塩垣優・道津喜衛, 1972. セジロハゼの生活史. 長崎大学水産学部研究報告 34: 19-27.