ギスカジカ

Myoxocephalus stelleri Tilesius, 1811

レア度:たまに見られる

形態:大型のカジカで、体長45㎝程にまで成長する。頭部はつぶれて幅広く、頭部と眼上部に1対ずつ皮弁を持つ。体色は背面から見ると灰色や褐色のものが多く、まるで石のよう。同属のシモフリカジカ M. brandtii は体と頭部がより細長く、本種よりもきつい顔をしている。また同じくトゲカジカ M. polyacanthocephalus は、皮弁がある場所に棘があることで識別できる。前鰓蓋骨棘は3本。頭部と腹部の下面には、白いまだら模様がある。

生息域:浅場の藻場から深場の岩礁まで幅広く生息し、春~夏には幼魚も多くみられる。北はベーリング海などまで生息し、北海道沿岸ではふつうにみられる。

生態:筋肉中に、氷点下の海で体液が凍ってしまうのを妨げる「不凍タンパク質」を持つことが知られている(Yamazaki et al., 2018)。

その他:かなり接近でき、触るまで逃げない個体も多い。おそらく全力で石のふりをしているものと思われる。逃げるときはばびゅーんと逃げる。冬季には漁港でもよく釣れるが、鍋物にすると非常においしい。

2019年4月 山上
2018年11月 山上
2017年1月@臼尻 大友素晴らしい擬態っぷり
2020年7月@積丹 大友砂地にまぎれた幼魚
2015年1月@臼尻 大友左=ギスカジカ、右=シモフリカジカ
2018年10月 山上
2016年4月25日 りった太陽の光がきれいに当たっている
2021年6月27日 りった
2021年6月27日 りった
2021年11月6日 りった

引用文献:

  1. Yamazaki, A., Nishimiya, Y., Tsuda, S., Togashi, K. & Munehara, H., 2018. Gene expression of antifreeze protein in relation to historical distributions of Myoxocephalus fish species. Marine Biology 165:181.