ツノマタ

Chondrus ocellatus Holmes, 1896

レア度:いつでも見られる(冬)

形態:葉状体は茶色から黄緑色で、先端が数回分岐し扇状になる。この先端が分岐している点と、葉状体の根本が逆三角形型(くさび形) に見える点が本種を見分ける手がかり。成体は高さが10~20cmで、30cmに達する。幅は3~35mmである。果胞子嚢は球形か楕円形で体の片側で隆起し反対側でくぼむ。

生息域:干潮線よりも高いところに繁茂するとされる。葛登支でもよく見られるが、茂辺地漁港の船着き場のスロープにも大量に繁茂している。

生態:黄緑色の葉状体は夏季に紅色タンパク質が抜けてしまったものである。

その他:クロヘリアメフラシがよく食べる海藻の1つ。よく食べてくれる上に、水槽の水が他の海藻に比べると汚れにくいので、餌としては大変オススメ。果胞子嚢ができた葉状体は果胞子嚢が無い葉状体に比べると硬いが、割と食べてくれる。(小型のアメフラシにとっては硬すぎることも考えられるので、アメフラシがあまり食べなければ、果胞子嚢の無い葉状体に変えてあげてください) 本種を餌として採集するのであれば、葛登支よりも茂辺地漁港の船着き場のスロープの方が手軽に採集可能。本種ばかりを与えたクロヘリアメフラシはピンク色の卵を産むようになる。

本種を室温で育てていると果胞子嚢を付けた後に葉状体の先端が白濁したような緑色に変色し、変色箇所が脆くなることがある。これは藻体を室温で育てることにより、藻体が夏の終わりの時期と勘違いすることで起こる現象。変色した部分は腐ってしまっている。これを防ぐには藻体を冬の海のような低い水温で育てることが有効。

2020年12月@茂辺地 小川
2020年12月@茂辺地 小川葉状体に大量に付いている粒が果胞子嚢
2022年5月16日 とみよしこれはオオバツノマタ