イソウメモドキ

Hyalosiphonia caespitosa Okamura, 1909

レア度:いつでも見られる?

形態:高さ30㎝くらいまで伸びる海藻。色は淡い褐色から、ロゼワインのようなうっすらとしたピンク色。小枝は主枝から不規則に伸び、全体にぼさぼさなしている。小枝の先は尖り、さらに細い糸状の枝を伸ばすことが特徴で、これによって枝の周囲がぼやけたような見た目になる。磯の香りにすこし酸味を足したような、独特の匂いがする。

生息域:道南~九州の日本海側まで分布。葛登支では低潮線のやや下、底質がゴロタの場所に生育する。水から出るとすぐに傷むらしく、おそらく干出するような場所には生えない。

生態:海底に埋没した小石の上に根を張っている。そのため、着生している石を掘り出すことで、藻体をちぎることなくきれいに採集できる。藻体からの抽出液は、特定の魚病細菌に対して、抗生物質の働きを持つことが分かっている(藤木ら, 1992)。

その他:チャツボがちらほらつくが、ワレカラやヨコエビはあまりつかない。

2021年2月 大友
2021年2月 大友
2021年2月 大友 枝先を少し拡大
2021年2月 大友 枝先をさらに少し拡大
2021年2月 大友小枝からは、羽毛のような細い毛が密に生える
2021年3月 大友

引用文献:

  1. 藤木和浩・松山博子・矢野友紀, 1992. 海藻の熱水抽出物がコイおよびブリに及ぼす感染防御効果. 九大農学芸誌 47 (1, 2): 137-141.