イクビホンヤドカリ

Pagurus proximus Komai, 2000

レア度:たまに見られる

形態:体は淡い茶褐色。はさみ脚長節にまだら模様を持ち、掌部に長毛が生えている。歩脚は地色が薄茶色で、各節に濃茶褐色の横縞を持つ。眼柄に茶色の斑模様を持ち、第1触覚は黄色みがかった茶色。葛登支に生息する種ではユビナガホンヤドカリに似るが、第2触覚にまだら模様がないことで識別できる。

生息域:潮間帯から主に水深10mほどまでに多くみられ、岩礁域の岩の上や砂泥底に生息。

生態:葛登支での繁殖期は2~7月頃で、多回産卵型とされる。2000年頃からよく見られるようになったが、現在も数は多くない。本種は、水路状になっている溝の底を好む。交尾前ガードペアは初春から初夏に見られ、海藻の上に付着していることが多い。ピンセットでオスの貝殻を掴むと、貝殻を捨てて逃げることが多い。裸になっても、メスは放さない。

その他:

2020年7月@茂辺地 りった
2020年7月@積丹 大友もしかしてイガグリホンヤドカリ⁇
2015年7月 りった ゴカイの仲間を食べる
ガードペア メスの貝殻にチグサガイが付着している 和田
ガードペア 大型個体同士のペアもいる 和田
ガードペア ピンセットでつまもうとしたら、貝殻を捨てて逃げ出した和田
ガードペア 比較的小さな個体同士のペアもいる 和田
ガードペア 海藻にしがみついていることが多い  和田
2015年7月 りった こんにちはー。
2015年8月 りった 上目遣いもかわいい
2020年11月28日 りった
2020年10月 りった脱皮殻
2021年4月 とみよし紅白でめでたい。
2021年6月27日 りった水路にて

本種に関わる研究業績

  1. Wada, S., and A. Mima, 2003. Reproductive characters of the hermit crab Pagurus proximus Komai 2000 in Hakodate Bay, southern Hokkaido, Japan. Crustacean Research 32: 73-78.