マルエラワレカラ

Caprella penantis Leach, 1814

レア度:たまに見られる

形態:体長は大きくて1.5㎝程度。頭部には前向きの棘が1つある。体節はホソワレカラなどと比べて太短く、頑強な感じがある。第2~6胸節はすべてだいたい同じ長さで、棘は生えない。第1触覚は体長の半分より短く、柄部が太い。第2触角の内側には剛毛が生える。第2咬脚の前節(先端から2番目の節、てのひらのようなところ)は卵型で大きく、オスでは2本の棘が下縁にあって、前縁には鈍いでっぱりがある。第5~7胸脚の前節の根元には、1対の小さい把握棘がある。第3・4胸脚にあるエラが丸いから「マルエラ」。

生息域:葛登支では平磯の海藻の中から見つかる。

生態:体節が頑強でガラモ場に多い「R型」と、体節が比較的細く内湾に多い「S型」に大きく2分される形態の変異がある。また、前述のようにエラの形にも変異がある。体形の変異は、波当たりの強さが影響しているとされる(Bynum, 1980)。汎世界的に分布するが、遺伝的には同一種といえる程度に変異は少ないことが報告されている(Cabezas et al., 2010)。

その他:

2020年12月 大友成体のメス?

引用文献:

  1. Bynum, K.H., 1980. Multivariate assessment of morphological variation in Caprella penantis Leach, 1814 (Amphipoda: Caprellidae). Estuarine and Coastal Marine Science 10: 225-237.

  2. Cabezas, M.P., Guerra-García, J.M., Baeza-Rojano, E., Redondo-Gómez, S., Figueroa, M.E., Luque, T., & García-Gómez, J.C., 2010. Exploring molecular variation in the cosmopolitan Caprella penantis (Crustacea: Amphipoda): results from RAPD analysis. Journal of Marine Biological Association of the United Kingdom 90 (3): 617-622.