オヒラキヘラムシ

Cleantiella strasseni (Theilemann, 1910)

レア度:たまに見られる

形態:体長は大きいもので2㎝程度。体色は基本的には濃い赤色で、かなり褐色がかる個体もいる。第1触覚は短くて4節。第2触角は5柄節と1鞭節から成り、先端近くが白くなる。頭部背面、第1触覚の付け根あたりに、1本の小さな棘がある。第1胸節の前端両側は前に向かって張り出し、極端な「いかり肩」のよう。イソヘラムシと比べると、各胸節は台形に近く、節の境目が切れ込むように見える。体後端の幅広く長い節は腹尾節で、その中央先端が飛び出す。第3及び第7胸節の背面に白または黄色の丸い斑がある。

生息域:葛登支では、10月に平磯からフジマツモをとってきたら、その中に多く混じっていた。

生態:葛登支ではイソヘラムシに続き、2番目によく見つかるヘラムシ類。海藻の上に多い(五嶋ら, 2016)。藻類食ゆえの分布と考えられ、「干しヒジキ」を餌として飼育できるらしい(川崎, 2017)。

その他:×オキヒラ→〇オヒラキ。腹尾節(尾)が開いているように見えることが和名の由来?

2020年10月 青木
2020年10月 大友
2020年10月 大友頭部~前方胸節の側面
2020年10月 大友 第2触角
2020年10月 大友 第1触覚と小棘
2020年12月 大友幼体…?
2021年2月 大友
2021年3月 大友 ぬけがら
2021年3月 大友なぜか下半身が幅広い

引用文献:

  1. 五嶋聖治・高橋智央・三浦裕人, 2016. ヘラムシ類の生活史と繁殖生態. Cancer 25: 1-8.

  2. 川崎祐介, 2017. 観音崎産コツブムシ亜目・ヘラムシ亜目等脚目甲殻類5種の飼育事例. Cancer 26: 77-83.