Thorlaksonius brevirostris
Bousfield & Hendrycks, 1994
レア度:いつでも見られる
形態:体長は1㎝未満のものが多いが、たまに2㎝くらいの個体も見つかる。体色は黒、褐色、ピンク、赤紫などさまざまで、複雑な模様が入ることも。胸脚の先端や尾肢が黄色い。額角が前に張り出して、第1触覚の柄節を覆う。底節板は大きく、腹節を曲げていることがおおいため、横からは楕円形にみえる。第1・2咬脚の第4・5節が下にむかって張り出し、特に第5節のでっぱりはよく発達して、第6節(”前節”=てのひらのようなところ)に沿う。この第6節には2個の鋭い小棘が生える。腹節の背面は、やや凹凸がある個体と、つるっとしている個体がいる。尾節板は完全に切れ込む双葉で、各葉は細長い二等辺三角形。
生息域:葛登支ではかなり優占しているヨコエビ。海藻の中や、その根元の砂泥中で生活しているようだが、石の裏についている個体も多い。
生態:ヨコエビの仲間だが「縦向き」の姿勢で生活する。そのためか、第5~7胸脚も後ろには反り返らず、何かにつかまれるように横に開く。体を丸めた状態では、黒いものはチャツボに、ピンクのものは石灰藻がついた巻貝によくにており、「ベイツ擬態では?」と考えるむきもある(Chapman, 2007)。
その他:甲冑を着ているようでかっこいい。カラーバリエーションが多いので、宝探しをしている気分になる。
引用文献:
Chapman, J.W., 2007. Amphipoda: Gammaridea, in Carton J. T. (Ed.), The Light and Smith Manual, Intertidal invertebrates from central California to Oregon, fourth edition, completely revised and expanded. University of California Press pp.545-618.