ミロクウロコムシ

Halosydna brevisetosa

Kinberg, 1855

レア度:いつでも見られる

形態:体長は4㎝前後のものが多い。体節は36節で、背鱗は18対持ち、頭部から尾部までを覆う。背鱗は地色が黄土色っぽく、褐色や灰色の斑模様が散在する。斑の入り方が個体ごとに異なり、模様は様々。背鱗には短い縁毛が生え、外側の方に細かいこぶ状の突起を持ち、特に体前方と後方のものは低い円錐形の突起もある。頭部はウロコに覆われて見えにくいが、黒い眼点を2対持つ。中央感触手と両側感触手は3本とも同じくらいの長さで、褐色の縞模様がある。その脇から長く伸びる副感触手には、非常に細かい毛が生える。疣足からは金色の短い背剛毛と腹剛毛が目立ち、ひょろっとした背触糸にはまたしても褐色の縞がある。

生息域:日本各地からアラスカまで分布。葛登支では平磯で石をひっくり返すと、小さめの個体がよく見つかる。大きい個体は夜の方が見つけやすい。

生態:

その他:背鱗が18対なので、18=3×6(み・ろく)というある種のだじゃれによる和名。ウロコムシの仲間は、種によって背鱗の数が決まっており、その数の音読に由来する和名が付けられている(吉岡, 2000)。サンハチウロコムシも同様で、背鱗が12対=24枚=3×8(さん・はち)。

2020年9月 大友
2020年11月 大友
2020年11月 大友 体前部背面
2020年11月 大友 体中央部の疣足
2020年11月 大友
2021年2月10日 りった
2021年2月 大友
2021年2月 大友
2021年2月 大友
前から1~3番目までの背鱗にはトゲがあるのだが、わかるだろうか…
2021年2月 大友 肛触糸とその周辺
2021年2月 大友背触糸は先端が糸状になり、黒いわっか模様がひとつ
2021年4月 深澤

引用文献:

  1. 吉岡寛, 2000. 木古内の磯の動物(Ⅱ)(軟体動物・環形動物・節足動物・星口動物・触手動物・棘皮動物・原索動物). 生物教材 35: 27-48.