フツウギボシイソメ

Lumbrineris latereilli (Audouin & Milne-Edwards, 1834)

レア度:よくわからない

形態:体幅5㎜くらいと細いが、30㎝の長さまで大きくなる。ギボシイソメよろしく、頭部に眼や突起は全く無いが、ギボシと比べて頭部がより細長い。また、頭部後端の背面には黒く見える「顎器官 (??)」がある。頭部の直後2節は「囲口節」といい、本種では1節目が2節目より長い。体は赤~ピンク色を呈し、金属光沢があり、各節に褐色のもやもやとした模様がある。また、疣足の足棘は黄色であり、ギボシの足棘は黒であることからも識別は可能。

生息域:北海道~沖縄をはじめとして、汎世界的に見られる。生息水深も潮間帯~1,000前後までと非常にコスモポリタン。葛登支では、ムラサキインコベッド周囲の泥中から出現。

生態:青森県浅虫での産卵期は6月上旬ごろ、水温が16℃を超えるようになると、夜の満潮時に起こる。ウミトラノオやスギモク Coccophora langsdorfii などの褐藻や、アマモなどの葉状に、ゼリー状の物質で包まれた赤い卵塊を産み付ける。直達発生型の様式を持ち、孵化幼生はすぐさま底生生活を行う。孵化に至る幼生の発達(体節数)にはばらつきがあり、タイミングもそろわないことが知られる (西平ら 1983)。

その他:

2021年3月 大友この個体は体が途中でちぎれている、ごめん

引用文献:

  1. 西平守孝・土屋誠・佐藤正典, 1983. Lumbrineris latrelli (Audouin et Milne-Edwards) の生殖行動と若虫の分散. ベントス研究会誌 24: 24-33.