ギボシイソメ

Lumbrineris japonica (Marenzeller, 1879)

レア度:いつでも見られる(土中)

形態:全長5㎝程度のものがよく見つかる。体はほとんど円筒形で、太さは5㎜くらい。体色は濃い赤で、背面にはイワムシのような金属光沢がある。本科の特徴として頭部に感触手はなくつるっとしており、橋の欄干の装飾として作られる「擬宝珠」に形が似ていることが和名の由来。前口葉は幅よりも長さのほうが若干長く、前に向かってやや細くなるが先端は丸く、全体に釣鐘型。前口葉の付け根には1対の顎突起がある。前口葉の後ろ2節は囲口節とよばれ、疣足がない。3節目から見られる疣足は前足葉と後足葉に分かれ、両葉の間には黒い足棘が1~4本ある。また概ね前の方の疣足には針状剛毛があり、後ろの方にはより太い被嚢鉤状剛毛を持つ。最後尾の節(肛環節)には4本の短い肛触糸がある。

生息域:葛登支で掬った砂泥をソーティングすると高確率で見つかる。インド洋~カリフォルニアまで分布し、潮間帯から水深1300mまで見つかるように、生息域は非常に広い。

生態:

その他:函館周辺には他にカタマガリギボシイソメ Scoletoma longifolia の記録がある。こちらは前口葉の先端がこぶ状に突出しする、後方の疣足では後足葉が細長い指状になる、足棘は黄色~褐色、といった点で異なる。

2020年10月 大友
2020年10月 大友頭部と前部の体節
2020年10月 大友中部の体節と疣足を拡大
2015年6月10日 りった卵塊
2015年6月10日 りった
2015年6月10日 りった
2021年6月 とみよしあざやか!