イトマキヒトデ

Patiria pectinifera (Muller & Troschel, 1842)

レア度:いつでも見られる

形態:腕が短いため、体形は星形だがほとんど五角形に近い。本種は腕の先端がやや尖り、反口側(口がないほう=背中側)に顕著な棘などがないことが特徴。反口側は青色だが個体によって濃淡の差があり、赤やオレンジの不規則な斑紋がある。口側は一様に薄いオレンジ色。

生息域:全国に分布し、浅い岩礁域や砂底にふつうにみられる。

生態:繁殖期は、陸奥湾では9月 (Kobayakawa & Satoh 1978)、利尻島では8月下旬~9月中旬 (高橋 1979)。受精後、ビピンナリア幼生期、ブラキオラリア幼生期を経て稚ヒトデとなる (小松・小黒 1984)。他のヒトデやウミウシなどの卵をたべていることもある。

その他:腕が4つや6つの個体もしばしばみられ、中には9本ある個体もいるらしい。腕の数は遺伝的に決まっているわけではない (大野・三田 2015)。

2020年7月 大友
2017年4月@入船 木戸六放射もたまにいます
2020年8月 大友
2020年8月 山上
2020年8月 りった 裏側
2020年8月 りった 肉食性巻貝の卵を食べている?
2015年5月 りった 肛門のアップ
2015年5月 りった 控えめに手を挙げる
2015年8月 りった 変な形!
2016年8月7日 りった半透明の触手のようなものが体表から出ている
2020年10月 りった
2020年10月 りった
2020年10月 りった海藻ごと消化
2020年10月 りった胃はすぐに収納された
2020年10月 りった
2021年2月 大友
2021年4月 藤本オレンジ
2021年4月11日 りった
2021年4月16日 りった
2021年6月 藤本海そうめんを食べる。夏だから
2021年6月27日 りった水路にて、アサヒアナハゼと一緒
2021年5月1日 りった疲れた時に見つめていると元気出るよ
2021年7月23日 りったなんだか飛び立とうとしているみたい
2021年10月21日 りった紫っぽい個体

引用文献:

  1. Kobayakawa, Y. & Satoh, N. 1978. Induction of the wrinkled blastula formation in the starfish, Asterina pectinifera, by modified developmental conditions. The Biological Bulletin, 155: 150–160.

  2. 高橋延昭. 1979. 利尻島産イトマキヒトデの繁殖期. 日本水産学会誌, 45: 945–950.

  3. 小松美英子・小黒千足. 1984. ヒトデ類の生殖と発生 (2). 海洋と生物, 6: 114–123.

  4. 大野雄登・三田雅敏. 2015. イトマキヒトデの腕数に関する研究: 5 腕以外のイトマキヒトデが生まれる要因とは? 東京学芸大学紀要 自然科学系, 67: 25–31.