ヒゲガヤ

Antennella secundaria (Gmelin, 1791)

レア度:いつでも見られる

形態:ヒドロ茎(立ち上がる部分)は分枝せず、高さ1㎝程度の群体を形成する。かなり小さいため、肉眼では細い糸が生えているようにしか見えない。色は白か、ごく淡い黄色。ヒドロ茎は直立し、ヒドロ莢は片側のみに並ぶのが特徴。ヒドロ莢の背面に小さな棘が1個、その脇に1対、さらにその直下に1個の合計4個あるが、顕微鏡下でなければ観察は困難。

生息域:日本各地、及び地中海、大西洋、インド洋など、分布域は非常に幅広い(Yamada, 1958)。葛登支では平磯の石をひっくり返した裏側によく生えている。

生態:クラゲ世代はなく、ポリプ世代のみを持つ(久保田, 1997)。コンブの藻体表面を基質にすることもあるようで、瀬戸内海でのコンブ養殖試験では「病害虫」として挙げられている。水温21℃を超えると、大幅に増殖するようである(井伊ら, 1966)。

その他:

2020年10月 大友
2021年6月27日 りったアズマニシキと一緒

引用文献:

  1. 井伊明・菅原英一・片嶋一男, 1966. 兵庫県におけるコンブ養殖試験. 水産増殖 14(2) pp.99-119.

  2. 久保田信, 1997. 田辺湾周辺海域の腔腸動物 軟水母目(刺胞動物門, ヒドロ虫綱). 瀬戸臨海実験所年報 第10巻 pp.27-30.

  3. M. Yamada, 1958. Hydroids from the Japanese Inland Sea, mostly from Matsuyama and its vicinity (With 4 Text-figures). 北海道大學理學部紀要 14(1) pp.51-63.