8:30- 8:50- 受付
9:30-11:45 研究発表 AM
11:50-12:30 役員会
12:40-13:10 総会
13:20-15:20 研究発表 PM
15:30-17:30 シンポジウム
17:30-18:00 文化財ツアー
18:00-20:00 懇親会
研究発表 :N201 N202 N302
受付 :N101
休憩室 :N301
役員会 :N302
総会・シンポジウム:ダイダンホール (S235)
懇親会 :ラウンジSHI Cafe Dear Deer!
11月8日 (日) 15:30-17:30 ダイダンホール (S235)
人々の生きることの状況性と多様性の心理学に向けて
-量的研究と質的研究の対話―
〈企画主旨〉
地球環境の保全、戦争や分断の回避、格差と貧困の解消、安全なAI開発そして共生社会の実現など、解決に国際協調が必要とされる課題に心理学は何ができるのでしょうか。これらの課題は20世紀後半における科学的権威の失墜や価値の多様化を経て拡大または出現しました。21世紀には「post-truth」と言われる社会状況になっています。従来の心理学の主流は、行動の状況依存性と多様性を明らかにしながらも、人間の本質または共通特性を解明し、それに基づいて自他(の行動)をコントロールすることでより良い生き方と社会が実現されるとしてきました。しかし、いまや心理学は、そのような「本質主義」を超えて、人々の生きることの状況性と多様性に正面から向き合う必要があるのではないでしょうか。
吉田寿夫氏は対人認知等についての研究をしてこられ、近年の高度化した統計手法(例えば、構造方程式モデリング(SEM)など)の誤用に警鐘を鳴らされると共に、自己報告型の質問紙のみによる測定を行う研究を批判され、また、人の行動の状況依存性と自動性を踏まえたクリティカル・シンキングによる自他の理解を提言されています。大倉得史氏は、「語り合い法」(研究者と協力者が対等に対話しながら体験の私的意味を掘り下げるインタビュー法)を開発し、人と人とが関わり合い共に生きる「接面」における人間を記述されています。このような文脈主義に立つ質的研究は20世紀後半に再評価され、世界的に拡大・発展してきましたが、日本においても関西を一つの拠点として独自に発展しました。
お二人に話題提供頂き、人々の生きることの状況性と多様性に心理学がどのように取り組み、現代の人類規模の課題の解決に向けて心理学をどのように再構築するかを、フロア全体で考える機会とします。
【話題提供者】
吉田寿夫氏(兵庫教育大学教授、関西学院大学教授を歴任) 量的研究の立場から
〈プロフィール〉社会心理学と教育心理学において、児童から成人における対人認知(思い込みやステレオタイプ)そして自己理解と他者理解を研究。心理統計と研究法についての「本当にわかりやすい」シリーズ(北大路書房)を刊行され、さらに、昨年は『人についての柔らかな理解:本当は〈温かい〉クリティカル・シンキング』(北大路書房)を刊行されています。
大倉得史氏(京都大学教授) 質的研究の立場から
〈プロフィール〉発達心理学と質的心理学において、「エピソード記述法」と「語り合い法」によって、保育実践、青年期のアイデンティティの様相、子ども家庭支援、障がいのある人との育ち合い、人と人が共に生きることを研究(「接面の人間学」)。供述分析も手掛ける。『語り合う質的心理学:体験に寄り添う知を求めて』『育てる者への発達心理学:関係発達論入門』(ナカニシヤ出版)がおありです。
【指定討論者】
天ヶ瀬正博(奈良女子大学教授、実験心理学)
【司会】
町田奈緒士(奈良女子大学講師、質的心理学)
11月8日 (日) 18:00- 予定
会場:奈良女子大学ラウンジSHI Cafe Dear Deer!