効率的に多量の糸を処理することができる点が特徴です。これにより、生産性の向上やコスト削減が期待できます。また、一斉に処理することで、糸の品質やサイジング剤の塗布状態が均一になりやすく、結果として織物の品質の安定化にも寄与します。
経糸の糊付けを行う際に、一つのビームから別のビームへと糸を移動させながら行うプロセスです。これにより、糸の束を一度に大量に糊付けできるため、生産効率が向上します。
また、ビームから直接糸を引き出すことで、糸の品質も安定します。
サイジングの目的
播州織におけるサイジングの主な目的は、糸を強化し、織り工程中の糸切れを防ぎ、糸を滑らかにして織りやすくすることです。これにより、織物の品質を向上させることができます。
サイジング剤
サイジング剤には、糸の種類や仕上げたい織物の特性に応じて、様々な種類が選ばれます。一般的には、澱粉、タンパク質、合成ポリマーなどが用いられます。天然素材から抽出されたサイジング剤は、環境に優しく、人にも安全ですが、耐水性や耐久性を高めたい場合には、合成ポリマーが選ばれることもあります。
サイジング工程
糸の準備: 織る前の糸を整え、サイジング剤を塗布しやすい状態にします。
サイジング剤の塗布: 選ばれたサイジング剤を糸に均一に塗布します。この工程は、機械を用いて行われることが多く、糸の太さや質感に応じて、塗布量を調整します。
乾燥: サイジング剤を塗布した糸を乾燥させます。これにより、サイジング剤が糸にしっかりと固定されます。
整理: 乾燥後、糸が適切な張力を持つように整理します。これにより、糸が織りやすくなります。
サイジングの効果
サイジングにより、糸は織り工程中の摩擦によるダメージから守られ、糸切れが減少します。また、サイジング剤によって糸の表面が滑らかになることで、織り工程がスムーズに進み、織物の品質が向上します。さらに、サイジング剤は糸に適度な重さを加えることで、織物の落ち感やドレープ性を改善する効果もあります。
まとめ
播州織におけるサイジングは、織物の品質を決定づける重要な工程です。適切なサイジング剤の選択と、精密な工程管理により、播州織はその独特の質感と美しさを実現しています。この伝統的な技術と現代技術の融合が、播州織の持つ独自の魅力を生み出しています。
「サイジング-糊付け」
糊付けの質が稼働率に左右し、品質にも直結する。そして製織後は加工で抜かれてしまう。
表舞台には出ないその仕事が、美しい播州織を生み出しています。