2023/08/05 Sat.
スタッフの清水が仕入れてきた情報では、2025年の「ZEH水準等の構造基準の改正」については特に救済措置がないまま適用されそうです。
特に多雪地域の物件については義務化ではないにしろ許容応力度計算で対応する道が現実的になりそうな。
ということで今後さらに木造住宅の許容応力度計算の需要が高まってくることになると思われます。
許容応力度計算が行える計算ソフトはさまざまですが、
どのソフトについても物件の情報(荷重条件やら構面やら)の入力がきちんとなされることが大前提ですし、
一定の規定から外れる場合の計算については「モデル化」という手法が必要になります。
タイトルの「落とし穴」というのはまさに上記のことで、入力した情報が間違っていても、たとえモデル化がなされていなくても、
計算書にNGが表示されていなければこれを見抜ける審査機関はとても少ないはずです。
つまり「NGが表示されていない許容応力度計算書=安全な建物」ではないということです。
(ルール度外視のプランニングで、仕様規定のみの確認で住宅を建てるのよりはよっぽどマシですが)
で、このモデル化が必要なケースで代表的なものが「基礎の二次梁」です。
基礎区画には本来は柱が必要なのですがサッシがあるなどして柱が設置できず、基礎の変形をもう一方の基礎で抑えこむ必要があるというものです。
これが抜けている計算書が意外に多い印象です。他にも、色々気をつけないといけないところが多いのですが。
せっかく許容応力度計算書つきの高気密高断熱のハイグレード住宅を建築したのに、計算書がハリボテでは不安すぎますよね。
やはり計算書の中身まできちんと理解できて、構造計画と計算書の整合を確認できる設計事務所に構造計算を依頼するほうが安心だと思います。
とはいえ、いくら計算でOKになるからといって複雑なプランニングがオールOKというわけではないです。
現実では地震力を受けた建物は想定外の挙動をするでしょうし。カオス理論というやつでしょうか。