全て人間は、平和で幸せに暮らす権利があるはずです。
にもかかわらず、戦争、内乱、災害、疫病等によって、今もたくさんの人々が生活を破壊され命を奪われています。
これらの人々が人間として幸せに暮らせる環境を整えることなく、地球環境の維持も人類の存続も望めないと考えます。
そして、こうした環境下にある人々が立ち上がる、元気、勇気、気力を取り戻す励ましの笑いが求められていると痛感しています。(国境なき芸能団設立趣旨書より)
ボランティア落語をやるようになったきっかけは、阪神・淡路大震災です。
震災直後は笑いは不謹慎ということで仕事がなくなった。「なんでお笑いなんかやっ ているのやろ」と頭を抱えました。
東灘区でガレキの片づけをしたり、水を運んだりしていたんですけど、あるとき被災者に言われたんです。
「笑わしてくれ よ。お前ら、芸人と違うんかい」と。
「いいんですか?」と聞くと、「笑いたいねん」と。
念のため、体育館に避難している人たちにも聞いてもらったらみんな「笑わせて」と言うんですね。
「それやったら」とやらしてもらった。そしたら、〝ズワワーッ〟と、いままで聞いたことのない笑いがわき上がってきた。
「生きてて良かった~、笑いをやっていてよかった!」「笑いにはこんな力があるんや!人の役に立つんや!」
心からそう思って、笑いに感謝して、そこからボランティア落語を始めたんです。
トルコ大地震の被災地を訪れたとき、「国境なき医師団」の方と出会いました。
その方から言われたことが、
「我々は薬で病気や傷を治すけれど、心の病がそれでは治らない。心にケアができるのは、『笑い』ではないですか? あなたにはそれができる。」
お笑い芸人だからこそできる国際貢献があります。
そして、「国境なき芸能団」というNPO法人を作りました。イラク、カンボジア、ドミニカ、アフガニスタンといった国にも飛んで笑いと物資を届けてきました。
日本国内では、「全日本おむつ団」を結成。
寄席に行くことができない介護施設のみなさんに笑いを届けるため、毎年、全国で数十回以上のボランティア公演を行ってきました。
笑いは、言葉や文化、宗教など、あらゆる違いを越えることができます。
「笑い」は世界の共通語。一緒に笑えば仲良くなれるんです。
地球のすみずみまで 笑いが届きますように。