柿本研究室

数理最適化でより良い社会の実現を目指す

ある社会問題に対して有効的な解決策を与えるためには,綿密に練られた計画が必要不可欠です.そのような計画を数理モデルにより表現し最適化することで,効率的に質の良い解決策を得るための研究を行っています.

主な研究テーマは以下の通りです.(他に取り組んでいるテーマもあります.こちらからご確認ください.)

道路ネットワークにおける効率的な交通計画の設計

道路ネットワークにおける効率のよい交通計画の作成は,将来にわたって発展し続ける都市の交通システムの設計に不可欠となります.効率の良い交通計画作成の際には,大きく分けて空間的関係と時間的関係の二つを考慮する必要があります.前者の例としては,自動車またはそのユーザが利用する施設を,道路ネットワーク上のどこに配置すると効率が良いかを考える施設配置問題が挙げられます.後者の例としては,車両リソースがどのような経路を通り,どの施設をどれだけの時間や量利用するかを考える輸送スケジューリング問題が挙げられます.

これら二つの関係は切り分けられて議論されることが多いですが,これらを独立に検討する場合と同時に検討する場合では大きく異なる最適解が得られる可能性があります.そこで本研究室では両者が持つ諸課題を両者の強みを組み合わせることで解決するための手法や枠組みについて研究しています.

関連研究

最適化手法により得られた関東周辺の道路に対する輸送計画を可視化したもの.

長距離輸送トラックが利用する休憩施設の位置と数について最適化している.

高速かつ高精度な予測を行う社会シミュレーション

社会とは自律した多数の個体が局所的に相互作用し構成されるマクロな空間と解釈することができます.このとき社会を構成する個体は人や人が介在する乗り物などのツールとみなします(それらが構成する集団を一個体とみなす場合もあります).

社会シミュレーションを行う主な目的な大きく分けて,理解と予測の二つがあります.理解を目的とする場合,理解したい現象の影響を図るため,シミュレーションの構成要素はなるべく単純なほうが好ましいです.一方で予測を目的とする場合は,予測対象の効果や影響を精度よく予測するために,シミュレーションに複雑性を持たせることが重要になってきます.複雑性を持つ社会シミュレーションは高精度な予測が行える一方,大きな計算コストを要します.

本研究室では特に後者の社会シミュレーションに着目し,最適化手法を応用して高速かつ高精度なシミュレーションを行うための研究に取り組んでいます.

関連研究



千葉県習志野市の人流を可視化したもの.

このような空間に対して施策を適用した場合の効果などを予測する.