Cell Mechanics Laboratory
細胞力学研究室
神奈川工科大学
応用バイオ工学部応用バイオ工学科
Kanagawa Institute of Technology
Faculty of Applied Bioscience Department of Applied Bioscience
2021年4月から研究を始動します。
生物の形作りの仕組みにはどのようなものがあるのか?
卵から発生する仕組みを生物は進化上どのように獲得したのか?
といった問いを明らかにしたいと考えています。
具体的には、
細胞が生じる力や細胞の力学的な特性の測定
細胞骨格・モーター分子・細胞接着分子が協調して生み出す力の胚発生における役割
卵を覆う細胞外マトリックス(卵膜や卵殻)の多様性の起源
休眠卵を作る仕組み
これらを探る研究に取り組んでいきます。
動物初期胚の発生様式の多様性と進化
動物は初期胚発生の様子が分類における門ごとに大きく異なっています。
この初期胚発生の多様性がどのように進化してきたのかは、未解明な点が多く残されています。
細胞の力学 Cell Mechanics とそれを担う分子機構
細胞表層には、アクチンフィラメントとミオシンモーターからなる複雑なネットワーク構造が張り巡らされています。これらは細胞膜直下にあり、細胞膜を裏打ちして細胞の形を制御する役割があります。かつ、モーターの活性具合や局在、アクチンフィラメントの構造を制御することで、細胞分裂や細胞運動といった動的な形の変化を実現しています。
生物の形作りの仕組みを理解するには、この細胞の力や、力学的な特性の大きさを測定することが大切だと考えます。
同時に、この力を発生する源になっている分子機構を明らかにしていくことも大切です。
卵を覆う多様な細胞外マトリックスや体細胞
産卵によって母親の体外に放出された卵は、膜や殻などの細胞外マトリックス、体細胞に覆われています。これらは、卵を物理的に保護する役割や、受精における役割があることが知られています。動物によって、卵膜や卵殻の外見や素材は様々です。動物の生態に即して、生命のバトンを次世代に繋いでいくための工夫がなされていると思われます。
休眠卵を作る仕組みについて
動物の中には、環境状態の悪化に対して休眠卵を作ることで生存し続けている戦略をとるものがいます。どうやって特別な休眠卵を作っているのか、その仕組みは明らかにされていません。また、周囲の環境の変化に応じて、休眠がとけて発生が開始されるのか、その仕組みも未解明です。