日本の東端エリア(南鳥島・北方領土除く)。 東京から約1,000km、直行便で2時間弱。
知床・道東観光の魅力は広大な湿原や牧草地、美しい火山と湖・滝など、変化に富んだ景色を満喫できることにあります。
豊富な温泉と新鮮な海産物が最果ての魅力を更に高めています。
世界遺産の知床や阿寒を含む道東地域のみどころを景観や自然の観点で紹介いたします。
※地図をタップすると拡大できます。
◆知床・道東ドライブの距離・所要時間(釧路空港から反時計まわり時速50㎞で換算)
知床・道東を巡るには釧路空港・女満別空港を起点に一周約750kmで、観光時間も含めると2泊以上必要です。
温泉宿泊地が多数点在しています。中でも阿寒湖畔、川湯温泉、知床ウトロが道東3大観光宿泊地です。
小規模でも温泉を引いて地元海鮮料理が堪能できる漁師宿がおすすめです。(味は濃いめです)
霧が濃い場合は運転速度が抑えられますので、余裕のあるスケジュールをたてることが重要です。
集落に入る前は制限速度が低くなり減速が必要です。ここで速度取締りをしていることがあります。
釧路から道東を1周、反時計回りで紹介いたします。
湿原や牧草地帯を快適に走り、日本最東端へと続く地域です。
厚岸大橋から根室半島に続く海岸に沿ったドライブに最適な道路です。木立の中をきれいな道が続き、途中に湿原や漁港、昆布干しと道東の風情を満喫して走れます。
ビワセ展望台は、広大な湿原と大きく蛇行した川の流れを一望できます。釧路湿原の展望台より間近に見下ろすことができるため迫力があります。名前のとおり夏は霧が発生することが多く幻想的風景になります。
「ぽんぽろと」集落は浜中湾沿いの昆布干しがみられる小さな集落です。海岸の崖下に崩れ落ちている砂岩から、白亜紀以降の貝等の化石をみつけることができます。
日本最東端の岬です。夏は霧に覆われ肌寒い日が多くなります。日本が昭和12年建設した灯台のある貝殻島(3.7㎞先)や平らな水晶島(7㎞先)が望めます。日本ではまず意識することのない国境を感じる岬です。
航行に注意を促す霧笛が最果て感を演出してましたが今は廃止されました。
根室から別海町へ走る途中にある川です。原野の中を流れる川が風連湖にそそぐ風景がみれます。普通の川ですが河口まで護岸工事がされていない自然のままの原風景は今や貴重です。
「べっかい」町はアイヌ語で川の曲がったところを意味して、西別川流域に牧草地が続きます。人口1.5万人に対して10万頭以上の牛が飼育され生乳生産日本一です。
普通に地平線をみることができる地域です。国道から一本入った道を走るとこんな景色に出会えます。
トドマツの立ち枯れの景観と周辺の原生花園が有名です。風化が進み立ち枯れが減っているので霧に浮かぶ神秘的な風景が小規模になってきています。海水の流入は続いており近い将来に野付半島は海の中に沈むといわれています。
険しい知床連山に沿って、車や船で世界遺産の秘境や温泉を満喫できます。
標津町を流れる国内で初めて鮭釣りを許可された川で、事前に申込み手続きと費用が必要です。8月中旬以降に遡上するカラフトマスや鮭を手軽に釣ることができます。最近は遡上が減少傾向です。
海中から湧くセセキ温泉は個人が管理している温泉です。潮が引いていると熱すぎ、満ちていると海の中で浸かれない時間限定の温泉です。海面と一体感の露天風呂から国後島が眺められます。
日本最東端にある漁師のための温泉です。海岸に熱めのお湯が湧いていて冬は荒波で埋まるため春に風呂を掘り起こしています。夏場は簡易な囲いがつくられ男女別々に入れ、コンブ漁の様子をみることができます。
知床半島で岬に一番近い集落です。それでもここから知床岬まで道なき道を歩いて2日程度かかります。この先は昆布漁の番屋はありますが切り立った崖が続くため道路は行き止まりです。最果ての地です。
知床横断道路にある人気の露天風呂です。昔と比べ整備されて入浴者が増えたため秘湯の雰囲気は薄れました。それでも羅臼川のせせらぎと心地よい冷風は変わらず疲れをいやしてくれます。
羅臼とウトロを結ぶ冬季閉鎖の知床横断道の峠です。海岸から海抜738mまで一気に上る道東では珍しい山岳道です。羅臼岳と国後島を望む展望は絶景で、峠を隔てて天気が急変することがよくあります。
人を寄せ付けなかった知床の観光地として70年代に整備された地域です。一湖・二湖は高架木道を設けたためヒグマを心配をせずに歩けるようになりました。この辺りにはエゾジカや北キツネが現れます。
ウトロを拠点とする大型の知床観光船は、知床連山を眺めながら知床岬折り返しと、中間のカムイワッカの滝折り返しの2コースを運航しています。知床岬コースは便数が少ないため事前予約が必要です。
川がないのにオホーツク海に流れ落ちている不思議な滝です。プレぺの滝から知床五湖にかけての海岸は高さ200mにもなる海食崖となっています。陸側からも眼下に滝を望むことができますが、船からは見上げる崖は迫力があります。
海抜1562mとは思えない険しい活火山です。明治には硫黄の採取もされてました。
硫黄山から流れ出た温泉が川となって、オホーツク海岸で滝となって流れ落ちています。
この滝の上流にも滝が連なっていて、知床五湖からバスで行けます。2023年より事前予約すれば水温38℃の四ノ滝まで再び登れるようなりました。以前の豪快な滝壺温泉は落石でかなり埋まっています。
30mの高さから直接海へ落下している滝です。滝の後ろは洞窟となっていて暗いため滝がはっきり見えます。この滝と岬の間には番屋が点在し、夏場は鮭定置網漁のために漁師が泊まります。
断崖の多い知床にあって、知床岬だけは穏やかな山と高台が望めます。ここまで来たご褒美のようです。
オンネベツ川は浅く幅の狭い川ですが、8月からカラフトマスの遡上がみられます。オホーツク海の河口から遡上する魚の背びれや川一杯の黒い魚影が間近にみられます。
日本百名山の斜里岳北部にはパッチワーク状の小麦やじゃがいも、てん菜畑が広がっています。1世帯あたりの耕地面積36haは日本最大規模でヨーロッパも凌ぐ広さです。長い直線道路が多いのも特徴です。
火山と噴火でできた湖が点在する地域で、それぞれ個性のある風景をみせてくれます。
摩周湖の伏流水が湧き出ているといわれる池です。緑の森の中に突然現れる水色の透明な池は神秘的です。水深は5mで泳いでいる魚はオショロコマです。かつて道東では当たり前だったダートの道を一部走行します。
対岸の第一展望台等より標高の低い位置から摩周湖を望めます。透明度41.6mで世界1位を記録したこともありますが今は20m前後です。かつては展望台が更に奥にあり湖に30分程度で湖岸に降りることもできました。
見幌峠から別海へ抜ける国道243号線の別名です。広大な牧草地帯をひたすら走る快適ドライブ道路です。由来のパイロットファームは霧による不毛地帯を戦後に大規模牧場に開墾した実験農場のことです。
屈斜路湖カルデラの活火山で、付近は硫黄の匂いがただよいます。植物の育たない荒地が独特の雰囲気をつくっています。明治には火薬の原料として北海道一の硫黄生産量を誇りここから標茶まで鉄道が敷かれていました。
日本最大のカルデラ湖です。峠の周辺は低いクマザサで覆われています。広大な湖の全景や奥に硫黄山、摩周湖の外輪山、晴れていれば知床連山まで見渡せます。
特別天然記念物のまりもで有名な、雄阿寒岳カルデラに水が溜まりできた湖です。泥が噴出しているボッケもみれる湖散策道が整備されています。遊覧船やアイヌコタン、土産店などみどころが充実してるため1日楽しめます。
自然を神と崇め、文字を持たずに言葉と踊りで文化を伝承してきたアイヌ部落です。ムックリと呼ばれる民族楽器(口琴)の音色は独特で耳に残ります。
アイヌ語で大きな沼を意味し、雌阿寒岳の噴火により堰止められた湖沼です。湖底から湧いている酸性の温泉成分により魚が生息できず、透明で鮮やかな色となっています。観光客が増えた今でも秘境らしさが残っています。
エゾマツなどの原生林の中を散策する周遊歩道が整備されています。足寄町になるため道東観光としての扱いが少ないですが絶景です。
日本最大の湿原です。細岡展望台で湿原散策はできませんが全景を展望できます。入り江だったところで、5000年程前から堆積した植物が寒冷地のため腐らず泥炭化して湿原ができました。特別天然記念物のタンチョウが有名です。
釧路川。屈斜路湖を源流として釧路湿原を流れる川です。原生林や湿原をの中を水量豊富でゆったりと流れる川はカヌー下りに最適です。幻の魚イトウがいることでも有名です。
釧路湿原や根室方面への観光拠点です。空港の北、車で10分程度のところに釧路市丹頂鶴自然公園があります。夏でも自然に近い環境でタンチョウに会うことができ、時間調整に最適です。
◆道東年表
860万年前
知床海底火山が噴火、25万年前から陸上火山噴火で知床半島が形成されていく
30000年前(旧石器時代)
屈斜路火山噴火で日本最大のカルデラができる(九州阿蘇を上回る)
7000年前(縄文時代)
屈斜路カルデラの東端に摩周火山が噴火してカルデラができ、雨水が溜まり摩周湖となる。
6000年前(縄文時代)
雄阿寒岳噴火で古阿寒湖(現湖の約10倍)が埋まり現在の阿寒湖ができる
3000年前(縄文時代)
釧路川河口の入江に腐食しない植物等の泥炭が溜まり釧路湿原が形成される
西暦700年頃(飛鳥時代)
漁業と海獣狩猟中心のオホーツク文化が海岸に沿ってが栄える(知床岬にも遺跡)
1200年頃(鎌倉時代)
文字をもたず自然と共生するアイヌ文化が始まる
1789年(江戸時代)
アイヌが和人との最後の戦いとなるクナシリ・メナシ(羅臼)の戦いで敗れる
1799年(江戸時代)
幕府が蝦夷地を直轄することになり、アイヌの生活が制限されていく
1874年(明治7年)
屯田兵が開拓とロシアからの守りを固める目的で本州から移り住む
1897年(明治30年)
阿寒湖でまりもが発見される
1921年(大正10年)
釧路から根室まで鉄道が開通する
1931年(昭和6年)
摩周湖が透明度測定で当時世界一の41.6mを記録する
1945年(昭和20年)
ロシアが終戦後に北方領土と樺太を占領する
1954年(昭和29年)
パイロットファーム計画で不毛の根釧台地に大規模酪農が始まる
2005年(平成17年)
知床が世界自然遺産に登録される