ここではランニングに関するあらゆる疑問に答えてゆきたいと考えています。(考えています)
監修 医学博士 大谷 直弘
Q1:靴のサイズはどうやって選ぶのか?
A;長さは、通常履く靴のサイズより1.5cm~2.0cm大きい靴を履きます。横幅も大事です。靴のソール
部分(下のゴムの部分ですが)から垂直に足の左右を包む布地部分が立ち上がっているのが理想です。
もし、ソール部分より足のほうが幅が広く、左右にはみ出している場合は、問題があります。
時間走っている間に足の裏にマメが出来この部分が水ぶくれになり、最終的に走れなくなります。欧米
人に比べて日本人は足の幅が広いため、幅広タイプを選んで自分の足に合わせてください。海外旅行に
行くと安い価格で高級な靴が売られていますが、サイズに関しては要注意です。ミズノのサイトでと言
う記事がありますので、参考にしてください。
Q2:足の爪が黒くなったら?
A;気の毒ですが手の施しようが有りません。兎に角化膿しないように患部を清潔に保ち、爪がだんだんと
はがれてゆくのを待ちます。凡そ一年で元通りになります。ピッタリサイズの靴を履くと、このような
黒爪になります。普通に歩くだけなら、問題が有りませんが、ランニングで使用すると足のサイズがだ
んだん大きくなりなるのと同時に、つま先が前にずれ、靴の先端と当たるようになります。これが長時
間続くと黒爪となり、爪が死にます。つま先が少しでも当たっていると感じたら、大きめのサイズの靴
を使用して下さい。
Q3:ストレッチは必要か?
A;絶対必要です。走る前と走り終わった後に必ず行ってください。時間は、10分~15分程度を目安にしま
しょう。よくレースで走り終わった後、ストレッチを殆どせず 、仲間と打ち上げに行く人が多いので
すが、問題です。
肉離れ、関節の予防のためにも是非ストレッチを週間づけにしてください。
筋肉は、ご存知のように、収縮する力が強いのですが、伸びる事は苦手です。ランニングの場合、筋肉
は縮んで走力を発生しますが、この縮む筋肉とは反対側の筋肉は強い力で引き伸ばされます。この時、
筋肉が十分な柔軟性を持っていないと、肉離れ、筋断裂などの深刻な障害を発生します。選手生命にか
かわります。
この障害を予防するために、走る前に十分なストレッチを行い、筋肉繊維をじわーと伸ばしてやりま
す。
これも、ミズノのサイトですが、動画でストレッチのやり方が説明されています。是非参考にしてくだ
さい。
Q4:練習コースはどのように選択するのですか?
A;女性の場合は、安全第一を考えましょう。出来るだけ人通りの多い、明るい道路を選択します。通常の
ランナーは、平日昼間走る事が出来ません。会社へ行かなくては。そのため、平日走るのは、早朝また
は夜間になります。ランニング仲間と何時でも一緒に走る事が出来れば問題ないのですが、殆どの方は
単独での走行練習となります。このため、危険な暗がりを避け、できるだけ安全な明るい、人通りの多
いコースを選択します。
コースは出来れば、起伏のある道路を選びます。日本の多くの大会は殆ど程度の差がありますが、アッ
プダウンの有るこーすになっています。練習中もこのアップダウンに慣れるようにしておく必要が有り
ます。足の筋肉の強さと、練習に使える時間との兼ね合いで、3k、5k、10k,20k,30km
などのコースを予め、決めておきます。
こうすると、急な予定が入った場合等も柔軟に走行距離と時間の調整が出来ます。
Q5:ランニングウエアはどのように選択するのか?
A;基本的には、動きやすい物と言えますが、木綿は出来れば避けてほうが良いでしょう。特に夏場の練習
で汗をかいた後、衣類が乾燥すると汗に含まれていた塩分が白く、硬くなり、ウエアがごわごわになり
ます。この状態で走ると乳首の薄い皮膚がこすられて、ひどい痛みを発生することがあります。速乾性
に優れた化繊品を中心に選択してください。
夏場に少し長い距離を走る場合は男性も、乳首をバンドエイドなどで保護するようにすれば、走った後
も後悔せずに済みます。ウルトラなどのかなり長時間走るような場合は、白色ワセリンを足先を中心に
擦り込みます。また皮膚がこすれて危ないと思うような場所(肛門まわり)にもワセリン塗布が有効で
す。
Q6:マラソン大会のエントリーはどうするのか?
A;最近までは、大会本部の発行する、大会要領の中にお金の振込用紙が有りました。参加希望選手は、こ
れに記入して郵便局または銀行から送金すれば良かったのですが、最近の急速なランニング人口の増加
に伴い、形態が色々変わって来ました。
インターネット経由での申込みが殆どになりつつあります。先ず、自分の走力、懐具合などを考慮し
て、自分にふさわしい大会を選択します。現在ですと、インターネットの””RUNTES””等を使い、レース
日、参加距離の選択、費用確認等を行い、自分が参加できるレースを選びます。この後は、エントリー
料の振込です。
本当は、周りにそれをサポートする仲間が居れば一番楽ですが。
例えば、新温泉町の麒麟獅子マラソンの例を取って考えて見ましょう。この場合、宿の確保も重要で
す。
1.RUNTES 等により、大会の申込を行います。参加レースの距離、年代別の登録など。
2.費用振込み、宿への宿泊予約(人気のある宿は一年前から予約が入るので要注意。)
3.レース会場への道順確認。同伴者がある場合は、それへの連絡調整。
4.大会当日、待ち合わせの場所と時間の確認。
Q7:腰痛が出て困っている。どうすれば良いのか?
A;加齢とともに走らなくても体の色んな箇所が悲鳴を上げて来ます。腰痛はその際たるものですが、それ
以外に左右の足のしびれ、膝関節の痛み、足首の痛みなど様々な故障が発生してきます。まず故障、
怪我予防のため十分なストレッチを毎日10分以上行いましょう。併せて、整骨院等で、日頃(週一
回程度)から体全体の調整を行いましょう。特に、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどは避けて通れ
ない故障と考えて、上手に付き合うしかないかも。
足のしびれ、特に太ももの裏側からかかとにかけて、痺れる様な痛みが有る場合は足そのものの痛み
が発生している場合と、腰周辺を通る神経が圧迫されて発生する痛みが有ります。このような痛みの
場合、足の方を治療しても効果が現れず、腰周辺の治療で回復する場合があります。先入観を持た
ず、色々な治療を試してください。
Q8:レース直前の食事は?
A;普通に取ります。但し、アスリートは別です。市民ランナーで自己ベスト更新を目指す方は、それな
りに食事にも気を使いましょう。そうでない方は、普通に食事をとります。前夜は、ビールやお酒を
飲んで、リラックスして早めに就寝できるようにします。飲みすぎは、相当走りに応えますので程ほ
どにしておきます。ZKM大阪支部に在籍された、田茂井宗一(現 世界マスターズ2000m障害世
界記録保持者)さんは、福井県で開催された、足羽川マラソンに出場される時、朝食は、悲境に軽く
食べていました。””食べ過ぎると腹が重たくなって、走れない””と言うのがその理由です。量は、少な
めですが、普通にご飯、お味噌汁などを食べていました。
アスリートは、カーボローディングと言って、炭水化物を多めに摂取しますが、普通のランナーは特
にお腹を壊さない様に、いつも通りの食事がベストと思います。
Q9:早く走るにはどうすれば?
A1;練習をやりすぎない。変な回答ですが、本当です。フィリップ・マフェトン博士と言う人が、アスリ
ートの練習量、強弱などと、成績を検討した結果導き出した、答えです。マラソンランナーは真面目
な人が多く、ついつい練習量を増加して、さらにインターバルのなども組み込んで走行スピードを上
げようと頑張ります。この頑張りはいいのですが、筋肉と骨格が未だ十分対応出来ない状態で過酷な
トレーニングに励むと、ついに筋肉、関節が悲鳴を上げて、肉離れ、関節痛などの故障になります。
故障期間中は、練習出来ないため、精神的に焦るのですが、どうにもなりません。そして、故障が癒
えるやいやな、また過酷なトレーニングに休暇中の遅れを取り戻そうとがんばります。これが更なる
故障を引き起こします。
マフェトン理論は、この関係をかいめいし、強度の強いトレーニングを全体の15%~20%以下に
抑えるように提唱しました。故障しない方が、結果として早くなるのです。
A2;弓なりになる。
走っているランナーを横から見た時、弓なりに見えるのが理想です。推進力が最大になり、速度がグ
ンと上がります。ランナーは疲れてくると、腰が落ちるとよく言われますが、この時、側面から見る
とお尻が下がり、背中が丸くなります。これに対応して、目線が下がり、足元を見るような形になり
ます。
弓なりの姿勢とは、腰を高く保持して、胸を直立させ、目線は、前方を見据えます。決して目線を足
元へ落としてはいけません。この姿勢を作るためには、お臍に神経を集中します。。腰を高く保持す
るために、お臍を前に突き出すように姿勢を作ります。
この姿勢が自分に有効かどうか確認するため、ゆるい下り坂を利用します。最初は、普段通りの走り
を行います。次にこのゆるい下り坂を利用して、お臍をぐっと前に突き出します。足が遅れないよう
に注意しながら下ります。時には経験をした事が無いような速度が出ますので、足の送りに注意して
下さい。転倒の危険性があります。
オーバースピードトレーニングと言われる事が有りますが、腰を落とした走りと、お臍をぐっと前に
突き出し、腰を高く保持した走りとの違いを体験してください。
A3;親指を立てる。基本中の基本ですが、出来ていないランナーが多いのも事実です。平坦な道路、上り
などは必ず、親指をぐっと上に立てます。立てた場合と、立てない場合の違いは直ぐに実感できま
す。普段走っているときに、親指を握った場合と親指を立てた場合の腕の振り具合を比較します。ど
ちらがより楽に腕が振れるのか。勿論、腕を大きく、軽く振れると、楽にスピードが上がります。こ
れも、練習中に実感して下さい。
A4;肩甲骨を利用する。走るとき、体はどうなっているのか?上体が左右に捻られる、すなわち、右腕が
引かれ、左腕が前に出ている時です。骨盤から下は逆に左にひねられます。背骨を軸として、上半身
と下半身は逆の方向にねじられています。ここで、主要な役割を演じるのが、肩甲骨です。この肩甲
骨を大きく、左右に回転させることで、下半身もそれに応じて大きくひねられます。この力が大きな
推進力を生みます。
この動きを円滑にするために、肩甲骨の回転運動を毎日行います。大きく肩を前方へ20回ぐるぐる
回します。出来るだけ大きくです。そして、今度は後方へやはり大きく肩をぐるぐる回します。背骨
を中心とした回転運動をイメージしながらおこないます。
A5;上り坂を利用しする。トレーニングコースにアップ、ダウンの有るコースを選定します。普段の練習
ではフラットなコースでの練習で良いのですが、ここぞと言う時のパワーのために上り坂の有るコー
スを利用します。この登りで、太股筋肉を鍛えます。最後のラストスパートで子の筋肉を最大限使い
ます。そのためにも、日頃から、坂道を一気に駆け上がるトレーニングを取り入れます。
Q10:レースで入賞するにはどうすれば?
他人より早く走れば、入賞できます。当たり前の話ですが、そう簡単に行きません。自分の走力に限
界がありますから。その上で、どうすれば入賞できるか?考えて見ます。一度でも入賞できれば、嬉
しいものです。
A1;地方の小さなレースを選びます。大きなレースでは、それなりに早い選手が集まります。その中で入
賞するのは、非常に難しくなります。地方のあまり知られてないレースでは、意外と入賞の可能性が
高くなります。早い選手が集まりにくい、また例え集まっても人数が限られてきます。上位入賞でな
くても、下位入賞の可能性が高くなります。
A2;入賞の多い大会を選びます。レースにより、上位3位以内入賞とか6位以内入賞または、10位以内
入賞とかがあります。上位3位は難しくても、6位以内は狙える場合があります。
A3;入賞タイムを調べる。過去1,2年のそのレースの入賞者のタイムをネットなどで調べます。自分の
ベストタイムが過去の入賞者と比べてどの辺りにあるか検討します。3位以内入賞者と同等、6位以
内入賞者と同等ならば、入賞の確立が非常に高くなります。
A4;年代別入賞が有るレースを選びます。例えば、40歳台、50歳台、60歳台、70歳台など年代別
に表彰される大会を選んでエントリーします。チャンスは、50歳になった年、60歳になった年等
です。
A5;競り負けない。どんなレースでも入賞を狙って選手が来ます。走ってる時、今自分が何位ぐらいか数
えます。ナンバーカードが、年代別になっている場合が多いので、折り返しなどで、時分より前に居
る選手の数を数えます。そして、ゴール直前、皆必死で頑張ります。この時、競り負けないよに、””自
分は入賞するんだ””と強く自分自身に言い聞かせます。この時、””もういいか””と思ってしまうと、必
ず競り負けます。気持ちを強く持って、最後まで走ってください。
Q11:フルマラソンを完走するには?
A1;制限時間に注意します。レースによって、ゴールの制限時間が大きく違います。42.195kmを
5時間以内とか、7時間以内とか、色々あります。自分の予想タイムを検討して、完走(制限時間内
にゴールすること)出来るかどうか検討します。大阪、東京マラソンは、制限時間が7時間と一番ゆ
るやかですが、なんせ参加者が多いので、スタート時のロスタイムも馬鹿に出来ません。それに比べ
ると、泉州国際マラソンは制限時間が5時間と非常に厳しいですが、スタート時のロスタイムが殆ど
ありません。出来るだけ制限時間のゆるい、参加者の少ないレースを選択して挑戦して下さい。
A2;30km程度走れるように。出場するレース1,2週間前までに、30Km程度を数本走ります。こ
れだけ走ると、自然と自信が湧いてきます。大丈夫、問題なく走れるという感覚です。走る速度は、
ゆっくりでかまいません。兎に角30km程度は走れるという自信を付ける事です。
A3;競争しない。いよいよ、レースがすたーとしました。自分よりはるかに年上と思う人に抜かれます。
若い女の子にも軽く抜かれてゆきます。この時になにくそと思って追いかけてはいけません。先は、
長いのです。40kmを過ぎて、なにくそと追いかけるのは構いませんが、スタートしてまだまだ先
が長い時は、自分のペースを守ります。そうでないと、30km過ぎにきつくなり、リタイアという
最悪の結果が待ってます。
以下工事中です。
Q12:ウルトラマラソン(100km)を走りたいがどうすれば?
ウルトラマラソンと言っても、色々有ります。50k、60k、66k、88k、100k、250
k 先ず、自分の精神力と体力、走力などいろいろ考えて、挑戦するレースを決めます。と言っても、
結局は、あなたの決断によるわけですが、此処では、四万十ウルトラマラソン100Kmの部20回
連続出場の中川が回答を作成してゆきます。
皆さんの参考になれば幸いです。ここでは、ある程度走力のある方を対象としています。未だフルを
数回しか走った事が無い人は、参考程度にして下さい。未だ、関節などがウルトラに耐える状態にな
ってない人が、挑戦すれば、関節の故障などにつながり、選手生命の危険に陥ることが有ります。私
の周囲で何人かの人がそうなりました。くれぐれも、自己を過信しないで下さい。
A1;LSDをやります。Long time, Slow speed, Long distance の事です。長い時間、ゆっくりとした速
度で、長距離を走ります。具体的には、10時間以上、50km以上をジョグの速度で走り続けま
す。途中で休憩を取っても構いません。給水、給食休憩を適当に取ってください。この適当と言う所
が問題です。あまり長時間休憩を取ると、その後が非常に走り辛くなります。私は、大体5分以内と
していますが、疲れた時は20分ぐらい思い切って取ることが有ります。
私の 四万十ウルトラは10月半ばに開催されますので、それに合わせて調整してゆきます。毎年、5
月からこのトレーニングがスタートして、10月初めに終了します。5月には、一度で走る距離を5
0km程度として、これを2週間毎に2~3回行います。体力の回復が早い時期は、毎週50kmが
出来たのですが、今では無理になりました。6月は60kmに上げます。7月本当は70kmに上げ
たいのですが、これも最近は無理になって来ました。8月80km、9月も80Kmですが、もう
とても出来ません。5~6年前までは、この距離が走れたのですが。
私のトレーニングは、夏の最盛期に向かって、1回の走行距離を上げてゆきますので、暑さとの戦い
が非常に重要になって来ます。特に、熱中症には注意しなければなりませ。走行時間が最初のころは
10時間以内になりますが、距離が伸びるにつれて、時間がどんどん延びて行き、最終的には13時
間程度を一日で走る事になります。
辛いです。一人で、暑い炎天下を黙々と走ります。6、7、8月は、雨が降ってくれれば最高です。
シャワーランです。ですが、殆どの日は、そんなに甘くは有りません。お金を少し持ってゆきます。
自販機で飲料を買う小銭といざと言う時に、タクシーで帰るためのお金です。
上着、パンツ、デイパックなどが噴出した塩で白くなり、固まって硬い生地になります。体とこすれ
る所は、特に注意して、白色ワセリンなどを塗っておきます。足の裏、足の指周り、肛門周辺等で
す。乳首には勿論バンドエイドを貼ります。塩分補給のために、干し梅干、塩飴、塩昆布などを携帯
します。長距離、長時間走ってみて、自分の体が何を要求しているのか、考えながら、自分に合っ
た、補給食を試行錯誤して見つけてゆきます。
私の場合、四万十のレースでは、後半70km以降は、殆ど何も体が受け付けなくなりなります。
水もダメです。お茶も。最近コーラだと体が受け入れる事に気づきました。今年(平成26年)の四
万十でもエイドでコーラをだいぶ戴きました。おにぎり、パン、梅干、飴全て受け付けなくなりま
す。このため、60数km手前で、体が受け付ける時に出来るだけ給食を取ることが大切と考えてい
ます。
LSDは、長時間、長距離走れば、自分の体がどのように変化してゆくのかよく分かる実験でもあり
ます。
Q:レース中の給水は?
Q:途中でビールを飲んでも大丈夫?
Q:肉離れになったら?