禍電街の1丁目。

電波塔からそう遠くない一角に、風変わりな店があった。


或る客は郷愁を覚え、或る客は秘密を抱え、或る客は蝉の声に誘われ、或る客は涼を求めて。

店の暖簾を潜る姿は、まるで『飛んで火に入る夏の虫』。


吊るされた風鈴は風を受けずとも鳴り、向日葵の群れは貴方の行く先へ首をもたげる。


『炎描堂』

煙香る夏の和雑貨屋。