かつて、中国では安価で豊富な労働力という一つの要素のみが重要視されていました。ユニクロなどの大手衣料メーカーの躍進もその潮流に乗った成功事例の典型といえるでしょう。
しかし変数が増えれば導き出される答えもより多種多様になる様に海外での衣料品製造も一筋縄ではいかない様相を呈しています。変数の一つに主に米中関係をめぐる政治情勢が有ります。
グローバル化は一つの不可逆的な潮流である。近年その様な価値観を良しとしない政治的リーダーが自国の利益をファーストと考える世論を、ある意味強引に喚起させる動きが顕著になっています。
もう一つの変数は、主にアジア各国の政治情勢であります。
「チャイナプラスワン」という言葉があります。急速な経済発展による様々な課題を抱えた中国のポテンシャルに期待しながらも、生じ得るリスクを回避しながら、他国においても積極的に投資やビジネスの拡張を計るという意味になります。
その中でも私が特に注目しているのがバングラデシュであります。同国の人口密度は世界で一番、日本の概ね3倍にもなります。
公害や環境問題というリスクを抱えながらも、今後世界において繊維産業のイノベーションの潜在力を秘めた国がバングラデシュといえるのでしょう。
弊社は同国に合弁事業として、工場を有しており、従業員の多くは意欲的に取り組んでくれております。(詳しい内容はホームページをご覧頂ければ幸いです)
そして最も大きな変数は、やはり「適切な設備投資と人材育成」といえるのではないでしょうか。
「国家間の関係の正しい知識」
「各国の情勢の理解」
そして「意欲的な設備投資と人材育成」
これらの3つの関係性を正しく理解し、着実に実行するならば、私たち繊維産業の発展に新たな展望を見出す事が出来る。私はこの事を確信しております。
「百聞は一見にしかず」
悩みを抱えながらも、懸命に努力し、限りない可能性を秘めた活力ある地域バングラデシュに展開する弊社工場に、是非一度足を運んで頂ければ幸いです。