載り台と便宜的に書きましたが、「架(ほこ)」とか「ボウパーチ」と呼ばれる、猛禽類を据えておく設備のことを指します。
東洋、とりわけ日本においては「架(ほこ)」と呼ばれ、ヨーロッパでは「ボウパーチ」と呼ばれています。猛禽類の休息場所であり大切なものです。しかし、すべての猛禽類にとって一律に良いとされる形はありません。脚に負荷がかかりそこから病気が発生してしまうこともあるため、猛禽類の生態をよく理解しそれに近いようなものを作ってあげることが大切です。
今回はチョウゲンボウのちょうすけ向けに作ったものをご紹介します。
チョウゲンボウは普段岩場や崖、開けた草原等にいます。高い場所にじっとしているのは猛禽類に共通していますが、とくに野生のチョウゲンボウは木々の枝にとまることはあまりありません。したがって、棒状のものをつかみ続けることはしないのですが、孵化したときから人間の手で育てられた個体は他の鳥たちと同じように枝に見立てたボウパーチに係留されることがあるため、難なくつかみ続けることがあるようです。
猛禽類の爪は鋭く、伸びすぎると足裏を傷つけ雑菌が入り込み病気になるリスクがあります。飼育下の猛禽類すべてに言えることですが、定期的な爪切りメンテナンスとともに、係留させる場合はなるべく足裏に爪が達しないような配慮が必要だと思います。
ちょうすけの乗り台は、ボウパーチのような細い円柱状の枝に似たものをつかませるような形状ではなく、灯台のような平たい場をつくっています。こうすることで爪が足裏に達するリスクを避け、爪の伸び加減も一目でわかるようになります。
【材料】※すべてホームセンターで入手できます。予算はだいたい1台あたり2000円程度です
・ライト設置台
・レンガ
・両面テープ(粗い面にくっつくタイプ)
・人工芝(透水性のあるほうが洗ったときに乾きやすい)
・接着剤(粗い面にくっつくタイプで水耐性のあるもの)
・手芸用マジックテープ(強力接着タイプを使用)
1.まず、人工芝を乗り台のお皿の部分の大きさに合わせてカットします。このとき透水性タイプの人工芝は固いのでカッターで慎重に切りましょう。非透水性タイプの場合は、画鋲か何かで何か所か穴をあけておくと、日々のお手入れがしやすいです。
2.人工芝をカットしたら、接着剤で平たい部分に接着します。日々のお手入れを考え、水がかかっても乾きやすいように網目がついている部分に人工芝を接着させます。このとき、接着剤はなるべく円の中心にしましょう。万が一チョウゲンボウが外周部分でくちばしを整えたりする際に接着剤がくっついた人工芝を誤飲するのを防ぐためです。
3.レンガと乗り台に手芸用マジックテープを付けます。こうすることで、乗り台とレンガをそれぞれ分解して洗うことができます。
※でもマジックテープの粘着力が落ちてはがれやすく、のちに瞬間接着剤で合体させてしまいました(こら)
4.完成!
導入当初の姿です( ノД`)
なんか違うぞ??? でもちょうすけはどこか満足気?
一年後の乗り台です。結局マジックテープが弱ってきて瞬間接着剤で合体させてしまいまいました。
一時保護したメスはお気に入りの場所で、ちょうすけを追い払ってまで我が物顔で過ごしてました(;'∀')
さらに一年後の乗り台です。
人工芝が消えた!?
というのも、ちょうすけが頻繁に引っぺがした時期があり、取り除いたところ収まったのでこの形になりました。
本人としては、今のこの形が一番落ち着くらしく、このスタイルです。
おわりに、ちょうすけの乗り台ですが、個体の過ごしやすさとメンテナンスのしやすさで現在の形になりました。個体それぞれの好みや生態があると思いますので、日々個体を観察し何が好みで適切な設備はどのような形なのか研究するのもまた楽しみの一つだと思います。