認定取消等に関する要望書を今月11月7日、経済産業省に提出してきました。
原告団をはじめ弁護団の弁護士の方々や、環境保全の専門の方たち、そして経産省への要請に同席いただいた、すぎむら慎治衆議院議員(埼玉9区 立憲民主党)には大変お世話になりました。
また、提出にあたり趣旨に賛同し、署名してくださった市民の皆さま、ありがとうございました。
以下は要望の骨子です。お目を通しいただけると幸いです。
本要望書は、令和7年11月7日付で経済産業大臣に提出されたものであり、一般社団法人ジャパンインターナショナル・スポーツアカデミー(旧HISA)から大和リース株式会社へ事業譲渡された埼玉県飯能市のメガソーラー発電事業(FIT認定事業)に関し、複数の法令違反を指摘し、大臣による厳正な対処を求めるものである。
第1要望の趣旨要望の趣旨は、以下の4点である。
旧HISAの認定取消とFIT交付金の返還命令旧HISAは、事業譲渡により認定計画に従った事業実施が不可能となり、土地の使用権原も喪失している。よって、法第15条に基づき、直ちに旧HISAのFIT認定を取り消すとともに、法第15条の11に基づきFIT交付金の返還を命じるべきである。
大和リースの発電事業の即時停止命令大和リースは、事業者の変更という重要な事項に関わる「変更認定申請」をいまだに行っておらず、再エネ特措法に違反した状態にある。また、認定に必須の住民説明会も経ずに事業を開始しているため、大和リースに対し、発電事業を直ちに停止させるべきである。
経済産業大臣による厳正な調査の実施:経済産業大臣は、以下の点について立入検査を含む厳正な調査を実施すべきである。
・計画との相違:第1工区などで、認定計画と実際のパネル枚数が異なっており(例:認定2,444枚に対し設置2,448枚)、これが太陽光パネルの合計出力の変更に該当しないか調査すべきである。
・「分割案件」の疑い:同一事業者(旧HISA)が近接した4施設の認定を受けているが、これらを分断する事業用道路は公道としての実態がなく(市民が通行不可能)、高額なFIT認定を不正に取得した「分割案件」に該当しないか調査すべきである。
大和リースからの変更認定申請の不許可:将来、大和リースから変更認定申請がなされても、以下の理由から許可すべきではない。
第2要望の理由(第1で述べた4つの要望の趣旨を裏付ける理由を詳述する。)
旧HISAの認定を取り消し、FIT交付金の返還を命ずるべき理由
・認定計画に従った事業実施の不可能性旧HISAは、令和6年5月に大和リースに事業譲渡をしており、再生可能エネルギー発電事業者でなくなるとともに、保守点検責任者でもなくなっている。また、飯能市との契約により土地の使用権原も失っている。さらに、旧HISAは商号を「一般社団法人ジャパンインターナショナル・スポーツアカデミー」に変更し、所在地を飯能市から遠方の静岡県下田市に移している。旧HISAが事業破綻したと主張して事業を譲渡している以上、今後、認定計画に従った再生可能エネルギー発電事業を実施する余地はないため、法第10条の3の規定に違反していることは明らかである。
小括:よって、経済産業大臣は、旧HISAに対し、法第15条に基づき、直ちに認定を取り消すべきである。
・FIT交付金の返還命令:法第15条の規定により認定を取り消すときは、法第15条の11に基づき、供給促進交付金の全部若しくは一部を推進機関に返還するよう命ずることができる。本件においても、認定取消にあたり、旧HISAに対し、法第15条の11に基づき、交付金の返還を命ずるべきである。
大和リースによる発電事業を直ちに停止させるべき理由
・変更認定申請の不履行大和リースは既に本件土地上で太陽光発電事業を行い売電収入を得ているにもかかわらず、事業者の変更について、再エネ特措法が予定する変更認定申請をいまだに行っておらず、再エネ特措法違反の状態にある。事業者の変更は事後変更届出で済むものではなく、経済産業大臣の認定を受けることが必須であると解される。
・住民説明会未了での事業運営再エネ特措法は、認定に当たり、地域と共生した再エネ導入を図るため、説明会等の実施を求めている。事業計画の認定要件として求められる説明会が開催される前に、新たな事業者が事業を運営することは、同説明会の趣旨・目的を達成することができず、再エネ特措法はこれを予定していないと考えるほかない。
小括:よって、大和リースが変更認定を受けていない以上、再エネ特措法に違反しているため、経済産業大臣は、大和リースに対し、本件認定発電設備による発電事業を直ちに停止させるべきである。
認定計画に従った事業実施に関する調査をすべき理由
・太陽光パネルの枚数及び合計出力に関する調査の必要性本件施設における太陽光パネルの枚数は、認定計画と異なっている工区がある。具体的には、第一工区は認定2,444枚に対し2,448枚を設置し、他方、第四工区は認定5,158枚に対し5,154枚を設置している。太陽光パネルの合計出力を変更する場合は変更認定申請が必要になるため、認定計画に従った合計出力となっているかどうかを調査する必要がある。
・分割案件に該当するかどうかの調査の必要性旧HISAは同時に近接した4施設についてFIT認定を受けている。本来、一体の事業地は合計出力で評価することが原則であり、分割が許されるのは公道や河川等を元から挟んでおり物理的に統合できない場合等に限られる。しかし、上記4施設を分断する市道は一般の用に供されておらず、事業者が「市道」と称する道は急斜面で分断され市民が通れる状態ではない。これらの施設内の「道」は、施設を意図的に分断するために敷設されたものであり、旧HISAは上記4施設を「私道などを意図的に設置して分断している」と考えられる。
小括:よって、本件施設が分割案件に該当すると考えられることから、直ちに調査する必要がある。
大和リースによる変更認定申請を許可すべきでない理由
(1)FIT全期間の使用権原を有していないこと大和リースと飯能市との土地賃貸借変更契約の期間は、飯能市財産規則に基づき令和14年(2032年)8月31日までとされており、これはFITの調達期間(20年)をカバーしていない。契約の更新は保証されておらず、FIT終了までの間使用権原を有することが事前に決まっていないにも関わらずFITを適用することは、20年間という期間を定めたFITの制度趣旨に反するものである。
(2)土地賃貸借変更契約が無効(飯能市財産規則違反)であること上記契約は形式上10年以内となっている。しかし、「土地有効活用事業に関する基本協定書」等において、事業期間が実質20年間(令和24年(2042年)まで)となることが予定されていたことは明白である。飯能市財産規則では10年を超える普通財産の貸付には議会の議決が必要であるが、飯能市は議決を得ておらず、実質的に期間を超える本契約は規則に反し無効である。
(3)土地賃貸借変更契約が無効(地方自治法違反)であること地方自治法第237条第2項は、議会の議決なしに「適正な対価なくして」財産を貸し付けることを禁じている。飯能市が算定した最低貸付料(月額約7.3万円)は、事業地から15kmも離れた上名栗の不当に安価な地価(122円/㎡)を基に算定されており、「適正な対価」とはいえない。近傍類似土地の調査価格(1,717円/㎡~2,400円/㎡)で試算すると、適正賃料は少なくとも月額102万円以上142万円が相当であったといえる。飯能市は、適正対価(102万円以上)の1/10以下という不当に低い価格(月額10万円)で貸し付けるにあたり、地方自治法が求める議会の議決を得ていないため、契約は無効である。
(4)令和7年8月7日開催の住民説明会が法の要件を充たさないものであったこと令和7年8月7日に開催された住民説明会は、以下の点で再エネ特措法に基づく要件を充たさない。
・ガイドラインで原則双方の出席が求められる旧認定事業者(旧HISA)の関係者が一人も出席しなかった。
・再エネ特措法施行規則に基づき開催案内が必要な実施場所に隣接する土地所有者に対して、開催案内が行われなかった。
・過去の説明会では対象であった阿須自治会の唐沢川流域住民が、「市町村長が必要と認める者」から不合理に除外された。
・事業終了後の設備撤去や土地の原状回復に関する説明がなされなかった。
結語:経済産業大臣におかれては、以上の理由に基づき、直ちに、厳正に対処いただけるよう要望する次第である。
この度、令和7年9月29日付けでさいたま地裁へ提訴いたしました。
以下、先日の記者会見での表明文をお読みいただければ幸いです。
本日、私たち飯能市民は、市民の共有財産を違法に毀損し続けている飯能市長を被告として、さいたま地方裁判所に住民訴訟を提起しました。この訴訟は、飯能市が所有する阿須山中の貴重な市有地をめぐる、一連の違法かつ不当な財産管理に対するものです。私たちは、市長の違法な「怠る事実」を是正し、市民の財産と利益を回復するために立ち上がりました。
市長に求める「怠る事実」の是正とは、以下の3点です。
1. 大和リース株式会社に対し、本件土地の明渡し請求をすること。
2. 旧HISAに対し、4922万円の不当利得返還請求をすること。
3. 大和リース株式会社に対し、1490万4000円の不当利得返還請求をすること。
【経緯】
⑴本件土地(17ha)は、もともと飯能市土地開発公社が1991年に取得し、公社の経営悪化に伴い、2013年から2022年にかけて飯能市が約19億5千万円を投じて購入した市有地です。ここは自然豊かな加治丘陵内の貴重な場所であり、飯能市は当初自然公園を暫定的な使用目的としていました。ところが、飯能市は2017年10月、「有効活用」として民間事業者提案制度を公募し、最低賃借料を月額7万2660円と設定しました。相手方旧HISAは、付帯施設太陽光発電事業の収益を主要施設サッカー場事業費用に充てる計画で応募しました。2018年2月に最優秀提案事業者に選定されました。しかし、開発面積で付帯設備・太陽光発電は主要設備サッカー場の約17倍、資金としてはそれをはるかに上回ることが推察でき、開発計画が明らかになる中で多くの市民がその不自然さ、異様さに疑念を抱くようになりました。
⑵飯能市と旧HISAは2019年12月に賃貸借契約を締結。旧HISAはFIT認定を得た後、2020年9月に工事に着工しました。この開発により、樹林は伐採・伐根され、緩やかな起伏と谷戸は造成され、市民が親しむことのできた豊かな自然は破壊されました。2022年9月から発電が開始されましたが、発電開始からわずか約1年半後の2024年2月、旧HISAは経営悪化を理由に事業承継を申し入れました。そして、同年7月5日、飯能市と相手方大和リース株式会社との間で、賃貸借契約の相手方を変更する契約が締結されました。
訴訟の核心:なぜこの契約は違法・無効なのか
飯能市と事業者が締結した土地賃貸借契約および変更契約は、以下の重大な理由により違法かつ無効です。市長がこれを放置することは、市民の利益に背く行為にほかなりません。
1.議会軽視:長期貸付けの脱法行為
飯能市財産規則では、市有地の貸付け期間は原則10年以内とし、これを超える場合は議会の議決を要すると解される。これは、長期的な財産処分に民意を反映させるための行政の基本ルールです。
しかし、本件事業は、協定書で事業期間が20年間と定められ、FIT(固定価格買取制度)の買取期間も20年であることから、契約当初から実質的に20年以上の長期貸付けとなることが明白でした。
形式的な契約期間を区切り、実質的な長期貸付けについて議会の議決を経なかったことは、財産規則の趣旨に明らかに違反する脱法行為であり、契約は無効です。
2.財政的損失:不当に安すぎる賃料
地方自治法は、自治体の財産を貸し付ける際、「適正な対価なくして」行ってはならないと定めています。市民の財産を最大限有効に活用する責任が市長にはあります。
飯能市は、本件土地の賃料設定にあたり、不動産鑑定評価を一切取得せず、不合理な基準で賃料を決定しました。
その結果、市が締結した月額10万円という賃料は、周辺の適正な市場価格を基に算定した適正賃料(月額102万円以上と推認)を著しく下回る、不当な低額です。
市は、適正賃料のわずか10分の1程度という極めて低い価格で、市の貴重な財産を事業者に提供し続けています。これは地方自治法に明確に違反し、飯能市に多額の財政的損失を与えています。
3.法規違反の容認:裁量権の逸脱
特に、直近の大和リースへの契約変更は、市長の裁量権の逸脱・濫用として無効です。
再エネ特措法では、事業者の変更には経済産業大臣の変更認定が必要です。にもかかわらず、市は、認定を受ける前に新たな事業者が事業を行い、売電収入を得ているという法律違反の状態を放置しました。
また、変更認定の要件である住民説明会も、旧事業者の欠席、隣接土地所有者への案内不備など、法の求める要件を著しく満たさない不十分な形式で行われました。
市は、法律違反の状態にある事業者を容認し、行政の公平性、適正性を欠いたまま契約を締結しており、これは市長の裁量権の逸脱・濫用です。
【訴訟にかける決意】
この阿須山中の土地は、自然豊かな加治丘陵内に位置し、将来的に自然公園としての活用も検討されていた、市民にとって重要な財産でした。しかし、この事業は、貴重な自然を破壊した上で、市の財政にも大きな損失をもたらすという、市民の利益に完全に反する結果を招いています。私たちは、この住民訴訟を通じて、飯能市の行政に対し、法の支配の原則と、市民の共有財産を守り、適正に管理する責任を改めて強く追及します。これは、単に手続き上の瑕疵を指摘するものではありません。市民の財産を不当に安価で差し出し、特定の事業者の利益のために利用させた行政の怠慢に対し、市民が正当な権利行使として「NO」を突きつける行動です。私たちは、弁護団と共に、市長が責任をもって違法な状態を是正し、違法な契約を解消し、失われた市の利益を完全に回復するまで、強く、粘り強く闘い抜く決意です。
皆さん、この問題は決して他人事ではありません。どうか、この訴訟に関心を持ち、公正で適正な市政の実現に向けて、私たちと共に歩んでください。
以上
2025年9月29日
飯能市有林民間メガソーラ―住民訴訟団
原告団代表:長谷川 順子
ご報告いたします。
過日の飯能市議会議員一般選挙中に現職市長から抗議を受けました。市議会議員選挙中の4月24日午後1時過ぎ、新井市長から長谷川宛の抗議文を市職員2名が当方の選挙事務所に持参し、本人が直接受け取るといったことがありました。
令和7年4月24日付の市長からの「飯能日高ケーブルテレビでの番組における発言に対する抗議及び要請について」には、放送内の長谷川の発言にある「阿須山中土地有効活用事業の公文書開示請求に取り組みました。その結果、行政の手続きが法令に反している事実が明らかになりました」といったことに対し、「・・・市民から心配の声が寄せられている、本市では阿須山中土地有効活用事業について各種法令等を遵守し、手続等を進めてきた。」とあります。
わたくしはこれまで1期4年間の市議会の一般質問において、阿須山中土地有効活用事業の不正、不公平な事務手続きについて指摘してきました。阿須山中土地有効活用事業の事業地は、飯能市の公有財産です。そこにあった立木も市民の財産です。市が議会に諮ることもなく、大量の立木を事業者に委ねてしまったり、市有林17haを年間120万円と廉価な賃貸料で事業者に貸し付けていることは、地方自治法237条2項に反しているとこれまでも何度も指摘してきました。
しかし市の答弁は地方自治法に反している立木の扱いに関しても、廉価な賃貸料の設定についても明確な根拠も正当な理由も示すことができていません。
今回の飯能日高ケーブルテレビでの放送内容は、長谷川の市議会へ立候補することへの意気込みや決意を訴えているので、その発言に対して市長が抗議と撤回を要請するってどうなの…と思います。それだけではありませんが、今回の抗議要請にある発言の撤回はいたしません。
地方自治法(財産の管理及び処分)第237条2項
第238条の4第1項に規定の運用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例または議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、もしくは支払い手段として使用し、または適正な対価なくしてこれを譲渡し、もしくは貸し付けてはならない。