じゅんじゅん報告会 10/4(土)10:00~11:30 原市場公民館・地区行政センター
この度、令和7年9月29日付けでさいたま地裁へ提訴いたしました。
以下、先日の記者会見での表明文をお読みいただければ幸いです。
本日、私たち飯能市民は、市民の共有財産を違法に毀損し続けている飯能市長を被告として、さいたま地方裁判所に住民訴訟を提起しました。この訴訟は、飯能市が所有する阿須山中の貴重な市有地をめぐる、一連の違法かつ不当な財産管理に対するものです。私たちは、市長の違法な「怠る事実」を是正し、市民の財産と利益を回復するために立ち上がりました。
市長に求める「怠る事実」の是正とは、以下の3点です。
1. 大和リース株式会社に対し、本件土地の明渡し請求をすること。
2. 旧HISAに対し、4922万円の不当利得返還請求をすること。
3. 大和リース株式会社に対し、1490万4000円の不当利得返還請求をすること。
【経緯】
⑴本件土地(17ha)は、もともと飯能市土地開発公社が1991年に取得し、公社の経営悪化に伴い、2013年から2022年にかけて飯能市が約19億5千万円を投じて購入した市有地です。ここは自然豊かな加治丘陵内の貴重な場所であり、飯能市は当初自然公園を暫定的な使用目的としていました。ところが、飯能市は2017年10月、「有効活用」として民間事業者提案制度を公募し、最低賃借料を月額7万2660円と設定しました。相手方旧HISAは、付帯施設太陽光発電事業の収益を主要施設サッカー場事業費用に充てる計画で応募しました。2018年2月に最優秀提案事業者に選定されました。しかし、開発面積で付帯設備・太陽光発電は主要設備サッカー場の約17倍、資金としてはそれをはるかに上回ることが推察でき、開発計画が明らかになる中で多くの市民がその不自然さ、異様さに疑念を抱くようになりました。
⑵飯能市と旧HISAは2019年12月に賃貸借契約を締結。旧HISAはFIT認定を得た後、2020年9月に工事に着工しました。この開発により、樹林は伐採・伐根され、緩やかな起伏と谷戸は造成され、市民が親しむことのできた豊かな自然は破壊されました。2022年9月から発電が開始されましたが、発電開始からわずか約1年半後の2024年2月、旧HISAは経営悪化を理由に事業承継を申し入れました。そして、同年7月5日、飯能市と相手方大和リース株式会社との間で、賃貸借契約の相手方を変更する契約が締結されました。
訴訟の核心:なぜこの契約は違法・無効なのか
飯能市と事業者が締結した土地賃貸借契約および変更契約は、以下の重大な理由により違法かつ無効です。市長がこれを放置することは、市民の利益に背く行為にほかなりません。
1.議会軽視:長期貸付けの脱法行為
飯能市財産規則では、市有地の貸付け期間は原則10年以内とし、これを超える場合は議会の議決を要すると解される。これは、長期的な財産処分に民意を反映させるための行政の基本ルールです。
しかし、本件事業は、協定書で事業期間が20年間と定められ、FIT(固定価格買取制度)の買取期間も20年であることから、契約当初から実質的に20年以上の長期貸付けとなることが明白でした。
形式的な契約期間を区切り、実質的な長期貸付けについて議会の議決を経なかったことは、財産規則の趣旨に明らかに違反する脱法行為であり、契約は無効です。
2.財政的損失:不当に安すぎる賃料
地方自治法は、自治体の財産を貸し付ける際、「適正な対価なくして」行ってはならないと定めています。市民の財産を最大限有効に活用する責任が市長にはあります。
飯能市は、本件土地の賃料設定にあたり、不動産鑑定評価を一切取得せず、不合理な基準で賃料を決定しました。
その結果、市が締結した月額10万円という賃料は、周辺の適正な市場価格を基に算定した適正賃料(月額102万円以上と推認)を著しく下回る、不当な低額です。
市は、適正賃料のわずか10分の1程度という極めて低い価格で、市の貴重な財産を事業者に提供し続けています。これは地方自治法に明確に違反し、飯能市に多額の財政的損失を与えています。
3.法規違反の容認:裁量権の逸脱
特に、直近の大和リースへの契約変更は、市長の裁量権の逸脱・濫用として無効です。
再エネ特措法では、事業者の変更には経済産業大臣の変更認定が必要です。にもかかわらず、市は、認定を受ける前に新たな事業者が事業を行い、売電収入を得ているという法律違反の状態を放置しました。
また、変更認定の要件である住民説明会も、旧事業者の欠席、隣接土地所有者への案内不備など、法の求める要件を著しく満たさない不十分な形式で行われました。
市は、法律違反の状態にある事業者を容認し、行政の公平性、適正性を欠いたまま契約を締結しており、これは市長の裁量権の逸脱・濫用です。
【訴訟にかける決意】
この阿須山中の土地は、自然豊かな加治丘陵内に位置し、将来的に自然公園としての活用も検討されていた、市民にとって重要な財産でした。しかし、この事業は、貴重な自然を破壊した上で、市の財政にも大きな損失をもたらすという、市民の利益に完全に反する結果を招いています。私たちは、この住民訴訟を通じて、飯能市の行政に対し、法の支配の原則と、市民の共有財産を守り、適正に管理する責任を改めて強く追及します。これは、単に手続き上の瑕疵を指摘するものではありません。市民の財産を不当に安価で差し出し、特定の事業者の利益のために利用させた行政の怠慢に対し、市民が正当な権利行使として「NO」を突きつける行動です。私たちは、弁護団と共に、市長が責任をもって違法な状態を是正し、違法な契約を解消し、失われた市の利益を完全に回復するまで、強く、粘り強く闘い抜く決意です。
皆さん、この問題は決して他人事ではありません。どうか、この訴訟に関心を持ち、公正で適正な市政の実現に向けて、私たちと共に歩んでください。
以上
2025年9月29日
飯能市有林民間メガソーラ―住民訴訟団
原告団代表:長谷川 順子
■いきいきとのびやかな子ども時代を過ごせるまち・はんのう
1・給食費・教材費の無償化で家庭負担を軽減します
2・教職員・支援員増員で、ゆとりある教育環境づくりを推進します
3・制服の自由化で、個性を尊重した学校生活を支援します
4・山間地域のスクールバス利用を中学生まで利用拡充します
5・通級を拡充し、みんなで学び合うインクルーシブ教育を推進します
6・CAP講座の導入で、自分の心とからだを守る暴力防止のための予防教育を実施します
7・公設のフリースクール開設を求めます
8・子どもと市民と協働して「飯能市子どもの権利条例」の制定を目指します
■川と森と農と人のいとなみが息づくまち・はんのう
1・自然由来のせっけん使用を進め、生命豊かな清流を維持します
2・自型林業を推進し、災害に強く、アクセスしやすい森林軽備を進めます
3・農業を応援!地産地消を推進し、安定した食材確保と健康的な生活を支援します
4・山間地域の空き家を活用し、定住人口増加を目指します
5・行きたい時に行きたい場所へ、バスの充実で移動手段を確保します
■公平で公正なまち・はんのう
1・阿須山中メガソーラーの事業中止と、第三者による検証委員会の設置を求めます
2・公共事業を見直し、税金の使い道を正し、福祉の増進に務めます
3・差別や孤立のない、誰もがくらしやすいまちを実現します