「日本P.F.学会」第40回大会へのご案内
大会長 石 橋 哲 成
1982年の8月、東北大学において日本教育学会が開催された際、荘司雅子教授、長尾十三二教授、前原寿教授、岩崎次男教授、藤井敏彦教授という5名の先生方が発起人となり、「日本ペスタロッチー・フレーベル学会」が産声をあげました。そして、初代会長には、フレーベル研究者の荘司雅子教授が、副会長にはペスタロッチー研究者の長尾十三二教授、事務局長には藤井敏彦教授が選出され、翌1983年9月には第1回の学会大会が玉川大学を会場として開催されました。
あれから早や40年。第1回大会を行った玉川大学を会場として第40回大会を開催する運びとなりました。第1回大会の時、私は専任講師に就任して2年目。大会の裏方として働きました。その時、一緒に裏方として働いてくれたのが、藤井敏彦事務局長の当時の大学院ゼミ生だった勝山吉章先生であり、鈴木(旧姓服部)由美子先生でした。40年の時の流れをしみじみと感じます。
さて、「ブーカ」(Volatility変動性・Uncertainty不確実性・Complexity複雑性・Ambiguity曖昧性)と呼ばれる予測不可能な時代の中で、AI「ChatGPT」が登場してくるなど社会の劇的な変化が起こりつつある今日、これまでの教育の在り方を根底から見直す必要が迫られているようにも思えます。このような時代にあって、果たしてペスタロッチーやフレーベルは存在意義があるのか? あるとすれば、それは何故か?今一度皆さんとともに、ペスタロッチー、フレーベルの教育思想を根底から見直してみることによって、本学会の未来を展望できたらと思っています。
ところで、玉川大学出版部の前身にあたる「イデア書院」が創設されてから、昨年で100年を迎えました。イデア書院、玉川学園出版部、そして現在の玉川大学出版部を通して、小原國芳はペスタロッチーやフレーベル関係の著書を精力的に刊行してきました。新図書館の中の一室に「おやじさんの部屋」と称した小原國芳の生前の書斎が再現されています。その部屋に上記のペスタロッチーやフレーベル関係の書籍を展示して、第40回大会に出席される会員の皆様に見て頂こうと考えています。大会に出席される皆様にとって、精神的土産になってくれたらと思っています。残暑厳しい9月上旬ではありますが、大会実行委員一同、多くの会員の皆様の参加をお待ちしています。