生成AIの進歩が止まりません。当初は?マークが浮かぶようなやり取りが多々ありましたが,最近の生成AIは,日常生活だけでなく,研究活動にも明らかにプラスの影響をもたらすようになってきたと感じています。そうなってくると,生成AIが研究にどのように活用できるのか,第一線の研究者は生成AIを使ってどんな研究活動をしているのか,もっと知りたいと感じている方が多数いらっしゃるのではないかと思います。
そこで今回の春の方法論セミナーでは,生成AIを一大テーマに掲げ, 4人の講師にご登壇いただき,生成AIの活用術を基礎から応用までご紹介いただこうと思います。
司会:小林知博(神戸女学院大学・日本社会心理学会学理事/学会活動委員)
新保 直樹(北陸先端科学技術大学院大学) : 研究活動を支援するツールとしての生成 AI 入門
中分 遥(北陸先端科学技術大学院大学) : 生成 AI の教育・研究活動で気をつけていること:暫定的な指針について
高野 了太(名古屋大学) : 生成 AI を用いた心理学研究:生み出す・まとめる・組み込む
三浦 麻子 (大阪大学) : 生成 AI 時代の心理尺度翻訳をめぐるビッグチームプロジェクト
13:30~13:40
会長挨拶(西田 公昭 立正大学・日本社会心理学会会長)
企画趣旨の紹介(宮本 聡介 明治学院大学・日本社会心理学会学会活動担当常任理事)
13:40~14:40(質疑応答10分を含む)
第1登壇者 新保 直樹 先生(北陸先端科学技術大学院大学)
題目:研究活動を支援するツールとしての生成 AI 入門
生成AIを研究プロセス全体を支える“支援ツール”としてどのように活用できるかを、初心者向けに紹介する。論文検索・要約・内容理解の補助に加え、統計解析コードの生成やデバッグなど、日常的な研究業務を効率化するための基本的な利用法を具体例とともに取り上げる。また、生成AIを用いた刺激画像の作成や簡易的な実験システムの構築といった心理学研究への応用も基礎的な範囲で扱う。本発表では明日から実践できる“使い方の型”を示すとともに、後続の発表で扱われる応用的な内容へつながる導入部として、研究に生成AIを活用する際の基本的な視点を提示する。
14:50~15:20(質疑応答10分を含む)
第2登壇者 中分 遥 先生(北陸先端科学技術大学院大学)
題目:生成 AI の教育・研究活動で気をつけていること:暫定的な指針について
近年、生成AIの発展が目覚ましく、大規模言語モデル(LLM)を用いた学術研究が増えており、AI for Scienceといった概念も生まれている。研究者・学生・教員が、ゼミ活動・研究会・講義において、LLMを使って資料を作成するケースが増えており、社会心理学周辺領域でも論文の校閲も含めた利用が行われている。研究や教育でのLLMの利用されている現状を鑑みれば、たとえ本人が使わなくともある程度の理解・対応が要求される場面が今後増えると予想される。本発表では、LLMを研究で用いることでの研究者が持つ「幻覚(illusion)」を報告する。また、学生を指導する際に教員として注意すること、また学生にAIを用いる際に示している暫定的な指針を共有し、会場での議論を通じて不足している要素などを議論したい
15:30〜16:20(質疑応答10分を含む)
第3登壇者 高野 了太 先生(名古屋大学)
題目:生成 AI を用いた心理学研究:生み出す・まとめる・組み込む
近年、ChatGPTをはじめとするAIチャットサービスの発展により、生成AIを活用した(社会)心理学研究が急速に広がっている。特に、刺激作成、データ処理、研究デザインそのものの構築において、新しい方法論が次々と提案されている。本発表では、その利用方法を大きく三つに整理して紹介する。第一に、研究で用いるデータや刺激を「生み出す」方法である。第二に、自由記述や大量テキストデータを要約・分類し、潜在構造を抽出するなどの「まとめる」方法である。第三に、AIを刺激の一部として用いることで、実験・調査の操作変数として「組み込む」方法である。これらの研究例を踏まえ、生成AIが心理学研究に与えるインパクトと今後の展望について議論したい。
16:30〜17:20(質疑応答10分を含む)
第4登壇者 三浦 麻子 先生(大阪大学)
題目:生成 AI 時代の心理尺度翻訳をめぐるビッグチームプロジェクト
生成AIの学術利用,とりわけ研究実務への組み込みをテーマとしたプロジェクト「Many Scales」を紹介する。心理学研究では,英語で開発された尺度を各言語に翻訳して用いることが多いが,翻訳プロセスの妥当性や測定不変性への影響は,個々の研究者の暗黙知に委ねられてきた。Many Scales では,従来の順翻訳・逆翻訳・レビューに加え,汎用LLM,翻訳特化ツール,人間訳者とLLMの協働など複数のワークフローを並行して実装し,得られた訳文を専門家評価とデータ収集に基づく統計的検証の両面から比較する。30名超の研究者が参加し,多数の尺度を対象にプロトコル,評価指標,データ共有の枠組みを整備中である。本報告では,プロジェクトの背景,設計,上流の運営体制,および今後想定している成果物(翻訳ガイドラインや公開データセット等)について概説する。
下記にある各先生の画像をクリックするとそれぞれの先生のHPをご覧いただけます。
※当日の質疑応答はZoom ウェビナーのQ&A昨日を利用する予定です。
参加を希望される方は,下記のURLから必要事項の登録をお願いします。登録後,セミナー参加に関する情報の確認メールが届きます。
登録された情報はどのような方が参加されるかを把握するため,および定員を管理するために使用され、それ以外の目的では使用されません。正確な情報を記入してください。
【参加登録はこちら】
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_U2F1Vuw6RkiRFlOKbwCiEg
注意事項
1.本セミナーの映像・音声については視聴者側で録画・録音しないでください。
2.本セミナーの登録にはお名前・所属・メールアドレスの登録をお願いします。登録は会員・非会員どちらでも可能です(会員か否かは回答をしてください)。これらの情報は、セミナーの円滑な運営のために日本社会心理学会学会活動委員会が使用します。また、質疑応答時には顕名で質問等をお願いすることがあります。
3.セキュリティ確保および参加者確認のため,原則1アカウント1デバイスからウェビナーに入ってください。参加登録者本人であることが確認できない場合は委員会側で強制的に退出いただくことがありますのでご理解ください。また、参加登録されていない方が同時に視聴していることが確認された場合にも強制的に退出いただきます。
4.オンラインセミナーでは音声が急に途切れることなどが起こりうることをご理解の上ご参加ください。オンラインセミナー開催中に運営側の学会活動委員がサポート対応することはできませんので、その点ご了承ください。配信において生じた技術的問題による視聴困難等について学会活動委員会はその責を負いません。
5.ウェビナーでは視聴者の方は基本的にカメラ・マイクはオフです。途中の質疑応答場面で、運営側が視聴者のマイク等をオンにすることもありますが、マイク・カメラの用意は原則不要です。
6.当日配信開始1時間前にリマインダーを自動送付します。その際に配布資料等のURLを掲載予定です。開始1時間前(リマインダー配信時)より後の登録の場合、資料URLは当日冒頭ウェビナー上で公開しますので、そちらを参照してください。