日進月歩で進んでいくテクノロジーの発展は、心理学の研究方法をアップデートさせていきます。今では様々なオープンソフトウェアが利用可能になり、ウェブブラウザ上での実験は一般的になりつつあります。その結果、非言語コミュニケーションの測定や遠隔でのコミュニケーション実験はじめ、私たちには様々な研究方法が選択肢として利用できる状況になりました。
しかし、そのアップデートの速さゆえに、それらの方法で何ができるのか、どのようにできるのか、長所や短所、運用の際の注意点は何かといった疑問を持っている人も少なくないでしょう。本セミナーでは、非言語コミュニケーションの測定やオンライン実験に詳しい2名の先生にご登壇いただき、オープンソフトウェアを用いた研究やオンライン実験の実際について、その始め方から実践例のお話までご紹介いただきます。
企画:日本社会心理学会学会活動委員会
司会:日本社会心理学会学会活動委員会
第一部
藤原 健(台湾國立中正大學 ) :コンピュータを用いた表情解析とその応用
第二部
水野 景子(関西学院大学):オンライン実験における参加者とのコミュニケーション
14:00~14:05
会長挨拶(西田 公昭 立正大学・日本社会心理学会会長)
企画趣旨の紹介(西村 太志 広島国際大学・日本社会心理学会学会活動担当常任理事)
14:05~15:25
第1登壇者 藤原 健 先生(台湾國立中正大學)
題目:コンピュータを用いた表情解析とその応用
概要:対人コミュニケーション研究において、古くから研究者たちは話者たちの振る舞いに注目し、言語行動・非言語行動のデータを取得することに苦心してきました。観察者による手動の抽出作業が主な方法論であった時代から時は流れ、今ではコンピュータが半自動的に人の表情の機微を解析することが可能になりました。そこで今回の講演では、プログラムコードを書くことなく始められるコンピュータによる表情分析の方法を紹介します。まず最初に、コンピュータを用いた表情解析がどのようなプロセスで可能になっているのかを簡単に説明します。また、この方法を採用する際の注意点についても触れます。次に、フリーのツールキットとして配布されているOpenFace 2.2.0 (Baltrušaitis et al., 2018) について、ダウンロードから利用開始、実際の出力結果を得るところまでの方法をご紹介します。OpenFaceは表情解析の枠組みとして広く用いられているFacial Action Coding System (FACS) を実装しており、17のアクションユニットの活性強度について連続量と二値判断 (活性の有無) の結果を出力します。これらをどのように統計分析につなげていくのかについても実用例をご紹介します。利用環境としてはPC (Win 11)を想定します。
☆OpenFace作者のホームページより自身の作業環境にあった zip ファイルをダウンロードしておくと、スムーズにセミナーを受講できます。なお、当日の解説では64-bit版を使用する予定です。
https://github.com/TadasBaltrusaitis/OpenFace/wiki/Windows-Installation
質疑応答・討論
15:25~15:35
休憩
15:35~16:55
第2登壇者 水野 景子 先生(関西学院大学)
題目:オンライン実験における参加者とのコミュニケーション
概要:近年、主にクラウドソーシングサービスを用いたオンライン実験が広がっています。オンライン実験には十分な人数の幅広い参加者に参加してもらえるメリットがある一方で、実験の説明を理解してもらいにくいことなど、参加者とのコミュニケーションの難しさという問題もあります。私からは、オンライン実験においてどのように参加者とコミュニケーションを取ればよいのかについて、実験の説明方法と実験タスクの理解度の関連を検討した研究結果および自身のオンライン実験の経験をもとに話題提供します。
質疑応答・討論
16:55~17:00
学会からのお知らせ、諸連絡
下記にある各先生の画像をクリックするとそれぞれの先生のHPをご覧いただけます。
※当日、会場での紙での資料配布はいたしません。eduroamまたはwi-fiを利用することが可能ですので、機器をご持参ください。
※当日の質疑応答は対面、オンライン共に昨年度同様slidoを利用予定です。
参加を希望される方は,対面参加,オンライン参加,いずれの場合も下記のURLから必要事項の登録をお願いします。登録後,セミナー参加に関する情報の確認メールが届きます。
登録された情報はどのような方が参加されるかを把握するため,および定員を管理するために使用され、それ以外の目的では使用されません。正確な情報を記入してください。
【参加登録はこちら】
登録の際,どちら(対面かオンライン)での参加をご希望かについてお聞きします。
後日変更可能ですが,定員を超過している場合は変更できませんので予めご了承ください。
(対面参加もオンライン参加も共通のURLよりご登録いただけます。ただし、オンライン参加の場合、参加登録の最後に表示されるURLでのZOOM登録も必要になりますのでご注意ください。対面参加の方は参加登録だけで参加可能です。)
注意事項
1.本セミナーの映像・音声については視聴者側で録画・録音しないでください。
2.本セミナーの登録にはお名前・所属・メールアドレスの登録をお願いします。登録は会員・非会員どちらでも可能です(会員か否かは回答をしてください)。これらの情報は、セミナーの円滑な運営のために日本社会心理学会学会活動委員会が使用します。また、質疑応答時には顕名で質問等をお願いすることがあります。
3.セキュリティ確保および参加者確認のため,原則1アカウント1デバイスからウェビナーに入ってください。参加登録者本人であることが確認できない場合は委員会側で強制的に退出いただくことがありますのでご理解ください。また、参加登録されていない方が同時に視聴していることが確認された場合にも強制的に退出いただきます。
4.オンラインセミナーでは音声が急に途切れることなどが起こりうることをご理解の上ご参加ください。オンラインセミナー開催中に運営側の学会活動委員がサポート対応することはできませんので、その点ご了承ください。配信において生じた技術的問題による視聴困難等について学会活動委員会はその責を負いません。
5.ウェビナーでは視聴者の方は基本的にカメラ・マイクはオフです。途中の質疑応答場面で、運営側が視聴者のマイク等をオンにすることもありますが、マイク・カメラの用意は原則不要です。
6.当日配信開始1時間前にリマインダーを自動送付します。その際に配布資料等のURLを掲載予定です。開始1時間前(リマインダー配信時)より後の登録の場合、資料URLは当日冒頭ウェビナー上で公開しますので、そちらを参照してください。