ご挨拶
ご挨拶
大会長 水野 賀史(みずの よしふみ)
福井大学子どものこころの発達研究センター
情動認知発達研究部門
テーマ:多様な視点からみる子どもの心身と発達
福井大学では、子どものこころの発達研究センターで研究、連合小児発達学研究科で教育、医学部附属病院子どものこころ診療部で臨床、を主に担当しつつ、お互いに連携しています。そのバックグラウンドは、小児科医、精神科医、心理士、研究者、看護師、学校の教員など、様々で、その専門性、得意なところは個々によって異なっており、それぞれの得意なところを活かしつつ、ディスカッションをしながら協力して取り組んでいます。
第22回大会では、そのような枠組みを学会に広げ、テーマを「多様な視点からみる子どもの心身と発達」とし、研究と臨床、多様なバッググラウンド、若手とベテランなど、様々な立場、観点から子どもの心身と発達について考え、ディスカッションする機会にしたいと思っています。その目的達成のため、本大会では以下の3つのアイディアを実施します。
1. 研究と臨床両面からの企画(特別講演と症例検討会)
小児科医からは、福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究部門の友田明美先生に、精神科医からは、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 知的・発達障害研究部の高橋長秀先生に、特別講演をお願いしました。
また、オンラインでの症例検討会を行う予定で、司会を星ヶ丘マタニティ病院小児科の井口敏之先生に、症例提示者として、名南病院小児科の吉岡モモ先生、ディスカッサーとして、名張市立病院小児科の小林穂高先生(小児科医)、上林記念病院こども発達センターあおむしの鈴木太先生(精神科医)、福井大学子どものこころの発達研究センターの濱谷沙世先生(心理士)にお願いしました。
研究でも、臨床でも、それぞれの立ち位置を大切にして、尊重しつつ、いいと思ったアイディアは柔軟にどんどん取り入れることで、結果的に子どもの役に立つことができればと考えています。
2. オンラインでも対面に近いネットワーキング(Spatial Chat)
コロナが明けて、オンラインから対面による学会の開催がすすむ中、今回は、多様な多くの方に参加していただきたい、という思いから、敢えてオンライン開催を採用することにいたしました。遠方の方、子育てなどの理由でなかなか学会への参加が難しい方、日本小児心身医学会になじみの薄い方、子どものこころや発達に興味を持っている若手なども含めて、気軽に多くの方に参加していただけたらと思っています。一方で、オンラインだと、ディスカションやネットワーキングが難しい、ということも事実です。そこで、その課題を解決するため、今回はZoomに加えて、Spatial Chatという対面に近いコミュニケーションが可能なオンラインツールを利用する予定です。自身はオフィシャルな発表そのもの以上に、発表後の休憩時間におけるディスカッションやネットワーキングが学会の大きな魅力の一つだと考えています。対面には及びませんが、このツールを利用することで、対面に近いものを実現できればと考えています。
3. 若手育成・活躍の推進(若手優秀演題賞)
若手の積極的な参加、活躍を進めるため、本大会開催年度開始時点(2024年4月1日)で40歳以下の若
手発表者を対象に褒賞を用意しました。また、その受賞者はGoogleフォームを利用して参加者からのリアルタイムの投票によって決定し、表彰する予定です。若手の方のぜひとも積極的な演題登録をよろしくお願いします。また、参加者からの投票もぜひよろしくお願いします。
私にとっては、学会運営そのものが初めての経験ですし、ましてオンライン開催も初めてで、これだけでも大きなチャレンジです。また、学会の中でも、オンラインによるネットワーキングツールを利用したり、オンライン症例検討会を行ったりするなど、様々な新しいことにチャレンジして、可能性を広げていきたいと思っています。準備は入念に行うつもりではありますが、新しい試みゆえにうまくいかない点もあるかもしれません。しかし、そういった失敗を恐れることなく、たとえ失敗をしたとしてもそれを糧に次に活かしながら、前に進んでいきたいと考えています。
梶原荘平先生、井口敏之先生、小林穂高先生をはじめ東海北陸地方会の世話人の先生方には多大なサポートをいただきました。また、関東甲信越地方会の呉宗憲先生、田中篤先生、関西地方会の長濵輝代先生からも貴重なアドバイスをいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。
ご参加いただいた皆様にとって意義深い1日になりますことを願っております。
ご参加を心よりお待ち申し上げます。