設立趣旨・経緯・方針

設立趣旨

応用数理の1分野を成す数値解析は,偏微分方程式の境界値問題などで記述された数理モデルを精度よく解くことを目標にして発展してきました.その恩恵により,製品設計の現場では実験に代わる手段として数値解析が日常的に使われるようになってきました.そうなると,次の目標として,数理モデルを変数にして,望みの現象となるように数理モデルを決定する問題が視野に入ってきます.それらの問題は逆問題あるいは最適化問題とよばれる分野になります.それらの問題は設計行為そのものの数理ともいえます.


本研究部会では,偏微分方程式などでモデル化された現象を望みの現象に近づけるように形状や材質などを決定するための理論と解析手法について研究することを目的とします.


その目的を達成するために,本研究部会では,理論家と実務家が協力して知恵を出し合う場を提供します.協力の手段として,研究集会を開催し,逆問題あるいは最適化問題に関するチュートリアル,研究成果の紹介,製品設計上の課題に関する話題提供などを行っていきます.また,年会および研究部会連合発表会ではオーガナイズドセッションを企画します

経緯

研究部会準備会「形状最適化と数理」第1回研究集会を開催し,継続希望者が多数であったことから研究部会として申請手続きを取ることとした.


日時 2005年2月25日 (金) 13:30 - 17:00


場所 名古屋大学 情報科学研究科棟 1階第1講義室


参加者 25名 (内,産業界15名)


話題


形状最適化の概要, 形状最適化入門, 畔上秀幸 (名古屋大学)

流れ場の形状最適化, 松本純一 (産業技術総合研究所)

構造分野における形状最適化の実装 −現状と課題−, 竹内謙善 (くいんと)

方針

今後の進め方について意見交換した結果,本研究部会を,形態/形状創成や逆問題などを含む,設計で求められている数理に注目した話題に関して,理論家と実務家が交流する場とすることで賛同を得た.


年間数回の研究集会あるいはOSを企画する.

研究集会では,チュートリアル,先端研究紹介,事例紹介を交えた話題提供をお願いする.