このたび、第36回日本禁煙推進医師歯科医師連盟学術総会を2026年12月5日(土)、6日(日)に本学、名古屋において開催できますことを、大会長として大変光栄に存じます。ご多忙の中ご参加いただきます皆様に、心より御礼申し上げます。
本邦において喫煙は依然として重大な健康課題であり、多くの疾病の発症・重症化に深く関与しています。特に、口腔、歯周組織は、喫煙の影響が最初で、しかも最も顕著に現れる臓器(消化器)の一つであり、歯周病の発症、進行、治癒遅延、インプラント予後の悪化等、歯科医療従事者は、臨床現場において日々その悪影響を実感しています。
本学術総会では、「お口から広がる健康革命:禁煙支援の未来戦略」をテーマに掲げ、従来の禁煙支援の枠組みを超え、歯科医療を起点とした新たなアプローチの可能性を追求いたします。歯科は、単に口腔疾患を治療する場ではなく、生涯にわたり、患者と継続的に関わり、行動変容を支援できる重要な接点です。この特性を最大限に活かすことで、禁煙支援はより実効性の高いものへと進化し得ると考えております。
昨今10年ほどの間に、加熱式タバコや多様なニコチン製品の普及により、禁煙を取り巻く環境は複雑化しています。したがって、そのような状況にあるいまだからこそ、医師・看護師・歯科医師・歯科衛生士等をはじめとする多職種が連携し、科学的根拠に基づいた一貫したメッセージを発信していくことが不可欠です。本学術総会が、その実践的方策を共有し、新たな連携の契機となることを期待しております。
本総会を通じて、禁煙支援を「特別な介入」から「日常診療の標準」へと変革する機運が高まり、ひいては国民の健康寿命延伸に寄与することを願っております。結びとして、本学術総会の開催にあたり、およそ35年余りに及びご尽力いただきましたすべての関係者の皆様に深く感謝申し上げるとともに、本総会が実り多い学びと交流の場となることを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。皆様のご参加、活発なご議論、そして多くの示唆に富む演題発表を心よりお待ち申し上げております。
第36回日本禁煙推進医師歯科医師連盟学術総会 大会長
稲垣 幸司
愛知学院大学短期大学部 教授