長い間、第一線で活躍し続けてきた橋口選手が、今期かぎりで引退することを表明した。
非常に残念な事ではあるが、本人は随分前から引退を決意していた様子で、その口調に迷いは無かっ
た。
本人もインタビューで語っているが、昭和63年に優勝して以来、上位に食い込みはするものの常に2番
手、3番手だった橋口。
決してその状況に甘んじてきた訳では無い。
実に30年間に及ぶ、自らの空手人生のすべてを掛けて、松濤杯、全国大会に挑み、そして見事に優勝
をつかみ取った。
現役生活最後の試合では、気迫のこもった素晴らしい五十四歩小を披露し、優秀の美を飾った。
今後は後進の指導に当たり、良い選手を育てる事に第二の空手人生を賭けるという橋口選手に心から
「お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。」 と言いたい。
10年ぶり2度目の優勝ですけど、心境をお聞かせ下さい。
「えー、10年目、本当に長かったです。ずっと上位には入っていたんですけども、2位3位となかな
か優勝が取れなくて、自分が今年最後になる試合だっていうのを決めてましたので、この10年目にし
て、やっと、全日本が取れた。そして、先月行われた世界大会も取れましたし、もう本当に最高の一日
になりました。最高の試合になりました。はい。」
松濤杯も取って、今回も圧倒的に近いカタチで取れました。
「そうですね。いちおう、これが自分にとって現役最後の試合で、後はもう、後進の指導に当たって、
良い選手を育てて行きたいと思ってます。」
引退されるんですか?
「ええ。」
これが最後?
「ええ。最後です。」
じゃあ、最後にとれたと
「そうなんですよ。もう。」
最後にこの試合に賭けて?
「賭けてました。世界も勿論。ずっと、賭けててやっと取れたと。もう本当に、感無量です。」
日本も世界も取れた感想は?
「もう、本当に嬉しいです。本当に長かった。」
長かったですか
「ええ、長かったです。最後に取れて本当にうれしいです。」
最後に一言、何かあればおっしゃって下さい。
「最後にですか (笑) 」
記念になる様に、お願いします。
「ええ。やっと、自分は空手を始めて30年になります。それで,やっと、30年目にして世界、そして
全日本と取ることが出来ました。本当にありがとう御座いました。」