活動案内

協会の年間活動

 <活動案内>          

日本アイリス・ヘメロカリス協会では、会員による年に1回の展覧会の開催と会報の発行を行っています。

■ ジャーマンアイリス展

毎年5月、ジャーマンアイリス展を開催しています。

主に庭園用や切花品種など、約50点を展示します。


【場  所】 神代植物公園 特設展示場

【協  賛】 日本アイリス・ヘメロカリス協会

会報の発行・展示会

会報の発行

日本アイリス・ヘメロカリス協会では、会員による年に1回の会報の発行を行っています。


ジャーマンアイリス展

毎年5月に神代植物公園 特設展示場にて開催しています。

過去の会報見本

日本アイリスヘロカリス協会会報2013.pdf

2013年度会報

毎年会員に会報をお配りしております

アイリス栽培方法

誰にでも簡単に咲かせられる花

栽培は実に簡単です。植えっぱなしでも構いません。そのうえ寒さには大変強く、北海道や東北地方でも何の心配もなく露地栽培できます。ただ、地中海地方の乾燥した気候に適しているので、極端に夏期の湿気を嫌います。ここが花菖蒲と違う点です。日当たりの良い乾燥気味の場所に植えれば、後は殆ど手間がかかりません。肥料も水も、むしろあげない方がいいのです。

 

それで、毎年美しい花が咲きます。花後、株分けすれば、年々増やしていくこともできます。バラのように消毒管理に追われることもなく、カトレアのように温室管理の必要もありません。育てるのがこんなに簡単で、しかも美しい花が日本で未だあまり広まっていないのは、大変残念なことです。

 

アイリスの色と香りの多彩さ、花容の素晴らしさは、アヤメ科の中でも群を抜いており、バラやカトレアなど他のどんな花と較べても、その華麗な美しさにおいては勝っており、世界で最も素晴らしい花の一つといえるでしょう。

 

日当たりのいい場所に植える

植え付け時期は、花が咲き終わってから秋にかけてが最もよいと言われていますが、梅雨時を避けた7月頃から10月頃が最適です。特に土質は選びませんが、日当たりが良く、排水通風も良く、弱アルカリ性の乾燥した土地が最も適しています。

酸性の土地の場合は、苦土石灰や草木灰を最初に少しまくとアルカリ性になります。また、排水の悪い土地でも新たに土を入れたり、高い畝にして排水をよくすることで対処できます。

根茎の首を出して植える

植え方は葉を半分ぐらい切りつめ、必ず根茎の首を地上に出して浅植えにして下さい。これは、軟腐病という病気が主に首のところから発生するからです。このときもあまり水をやるのは禁物。また、根茎と根茎との間隔はつめ過ぎないことが大切です。30cm位あけて下さい。


肥料は与えない

肥料はよほどのやせ地以外は必要としません。草木灰を与えるのはかまいませんが、窒素分の多い油カスなどは大変危険です。一時は面白いように育ちますが、突然どろどろに溶け出す軟腐病が発生します。ダイエットに始まりダイエットに終わる。この花を育てる時の鉄則です。

 

乾燥に強い

乾燥には驚くほど強いので、水はほとんど不要です。この花に過保護は禁物。どんなに乾燥して日照りが続いても、土に少しでも湿りがあれば水をやる必要はありません。鉢植えプランター栽培の場合は、地下の水分が入らないので、週に1回ぐらい土が乾いたら水を撒いて下さい。


手がかからない

アイリスは冬は休眠して来春の成長のためのエネルギーを蓄えますが、四季を通じて生育を続けていますので、古い葉は次々に枯れていきます。これを放置すると軟腐病になりやすいので、春先や梅雨時は特に枯葉や、終わった花を取り除いてやること、雑草を抜いてやること - こんな最小限のことだけ心がけて下さい。

 

病虫害について

アイリスは、根茎の腐る軟腐病を除けば、致命的な病虫害は少ないものです。万一、軟腐病にかかった場合は、すぐに掘り上げて腐った部分を切り取って水洗いし、患部に農業用マイシン剤を十分に塗布した上で、完全に乾燥させてから(1~2週間陰干しする)、再び植え付けます。菌は雨等で流れて広がりますので、病株のまわりの土もできればマイシン剤を水で溶いて消毒した方がいいでしょう。

 

ふやし方

株分けは手で折るだけ

アイリスの増え方は、親株の根元の両側に数個の子株が伸びてきて、さらに翌年その子株が親株になり、という具合ですが、親株の成長は花で止まります。株分けの時期は2年位に一度が理想的です。株分けしないと芽の数が多くなって日当たりや通風が悪くなります。また、同じ土にずっと植えておくと、「嫌地」といってだんだん花が咲かなくなることがあります。アイリスは新しい土地の方が機嫌がいいし、軟腐病の発生も少なくなります。株分けの季節は植え付けと同様で、花が咲き終わってからの秋口が一番望ましいと言われます。株分け方法は、先ず親株を大きく掘り起し土をふるって落とします。次に、増えた根茎の中で大きくて根の多いものを、付け根から手でもぎ取るか刃物で切り離して下さい。それだけで株分け完了です。株分けした苗は、葉を半分に切りつめて下さい。土に湿気が多いときは、切り口を乾燥させ、一週間くらい日陰につるしておくと良いでしょう。

 

実生栽培の楽しみ

他に実生からアイリスを育てることもできます。ご自分で花粉交配をする必要がありますが、普通は一つの花から50粒位の種子が取れます。種子の発芽は不揃いですが、発芽後は1年半で見事に開花します。良い品種を掛け合わせて実生すれば、思いもかけない花が咲くと言う楽しみも味わえます。


 

ヘメロカリス栽培方法

ヘメロカリス栽培方法

ユリ科の多年草で左右に向い合わせた細長い葉をのばし、夏にこの葉の間から花径をのばし、多いものでは30以上もの花を次々に開きます。花丈は1mを超えるものから30cmほどのミニチュア種もあります。


半日以上日の当る場所であれば、植え付ける事が出来ます。水やりも肥料も特別に乾く所や荒れ地でもないかぎりは必要なく、放っておいても良く育ちます。三年もたつと、丈夫なものは十本以上の株立ちとなって、たくさんの花をつけてくれます。


実際には、肥料もあった方がよく、湿潤な所に植えるにこした事はありません。永年植えたままで放っておいても特に弱るような事もありませんが、春と秋に二度の追肥によって育てます。


丈夫な植物とはいえ、花の後の高湿期には一時成育はストップし、秋になって気温が下がってくる頃に二度目の追肥をします。


水やりで注意がいるのは、鉢植えの花時です。急に水切れさせるなどすると、蕾がポロポロと落ちてしまう事があります。また、ヘメロカリスの花は食用になるほど柔らかいので、強い雨風の当らないところに鉢を移動させるなどしてやると良いでしょう。


冬越し

よほどの寒冷地でないかぎり、ヘメロカリスは特別な防寒をしなくても大丈夫です。春に植え付けて、11月頃になると葉が枯れてきますが、この葉はそのままにしておきます。冬の寒さや乾燥から大切な冬芽を守るためです。春になり新芽が伸びてきたら、取り除いて焼いて下さい。枯葉の中には病菌や害虫の卵が潜んでいることがあるからです。


病気と害虫

夏の間、病気がつくことがあります。長雨が続くと赤い斑点が葉に出て、葉先の方から枯れてくるのが赤さび病です。株元の地ぎわに白い糸のような菌糸が出て、白い米粒のようなものが出来るのが白絹病です。また梅雨があけるとハダニが発生して葉色が茶色がかって見苦しくなる事もなります。しかし、それが原因で枯れてしまうような事はなく、夏枯れと思って気にしないこともあります。これらの病虫害は花が終わってからの被害だからですが、花にかかわる病中については、そうは言っていられません。大形の白いアブラムシが花径やつぼみにつくと、つぼみが変形して落ちてしまったり、開花しても見苦しい変形、変色した花になってしまいます。粒状の浸透性殺虫剤を春から2回ほどまいておけば簡単に予防することができます。それぞれの病虫害について薬剤を散布すれば良いのですが、秋になって気温が下がってくれば自然に回復してくることもありますから、それほど心配する必要はありません。もっとも困る害虫がスリップスです。ごく小さな虫がつぼみのうちに内部に侵入して花弁の表面をなめるように食害するのです。赤や紫の品種に被害が目立ち、花色がはげたように色むらができてしまい、花が台無しになってしまいます。浸透性の殺虫剤をこまめに散布して下さい。


株分け・植替え


普通植えかえは春か秋に行います。生命力の強い植物ですから、花をだめにする5月~7月を避ければ関東以西ならいつでもできます。寒冷地では春に行った方が良いでしょう。秋晩く植えつけたのでは、根のはりが不十分で冬越しが難しいからです。


ユリのような球根はなく、根茎から太い根が数本出ているように切り分ければ一本づつに細かく分けても大丈夫です。根がまるく太って球根のようになっている株もありますが、これだけを植えつけても芽は出て来ません。太った根は水分や養分を貯めるためのしくみで、このためにヘメロカリスは大変乾燥に強いのです。


葉の伸びてくる時期には葉を半分ほどに切りつめても、根は短く切らないようにした方が良いでしょう。1本づつに分けたものと庭植えにする時は、10cmの間隔ぐらいはあった方が良いでしょう。品種によって丈夫さは違いますから、別の品種を近づけて植えると強い方の品種におしやられるようになって、弱い方の品種は増えません。鉢植えでも1芽植えで5号ほどの小鉢でも育てられますが、根が一杯に張りつめて少しも増えません。毎年大きな鉢に植え拡げてやる必要があります。


実生の楽しみ


色とりどりのヘメロカリスの花を見ていると、日本人が野生のままにしておいたものを、こんなに素晴らしい園芸植物に発展させたアメリカの人々の情熱に驚かされます。大型の宿根草としては実生から早いものでは2年目、おそくとも3年目には花を見る事が出来るので新花づくりに取り組んでみては如何でしょうか。朝早く雄しべを折り取り別の品種の雌しべの先に花粉をこすりつけてやります。タネが黒く熟し、サヤが割れてきてら種を採り播きします。寒地では小鉢に数個づつ播いてやると、2週間もすると発芽して来ますから一冬保護してやり、翌春に1本づつ植えだします。


ヘメロカリスの園芸品種には、剛直な感じのする4倍体品種が主流となっていますが、やや女性的な感じのする2倍体の品種もすてがたいものがあります。それぞれの倍数体同士でないと種子ができませんから注意して下さい。自分しか持っていない新品種を作ることができるのは楽しいものです。


野口記