※本大会には不参加という方でも、ラウンドテーブルで講演、聴講することができます。
日時
11月23日(日)12時45分~14時45分(予定)
会場
函館アリーナ多目的会議室A
趣旨
動物行動研究は、神経科学や進化生物学、生態学など幅広い分野と結びつきながら発展してきた総合科学である。野外で個体を追う研究も、脳・遺伝子の働きを解明する研究も、いずれも動物の行動を理解するという共通の目的をもっている。
しかし現状では、こうした分野の異なる研究間の交流は必ずしも十分ではない。共通の目的をもった一見遠い分野の知見に触れることは、自らの研究を新たな階層へと導く契機となるかもしれない。例えば、ミクロな視点での分子・神経基盤の理解は、行動変異の仕組みの解明につながり、行動の進化パターンや適応的意義の解明というマクロな視点に直結する。一方で、行動を種間比較からとらえ、マクロに進化的背景を探ることは、ミクロな観察結果を位置づけ、一般化するための枠組みを与える。このようにミクロとマクロの両方の視点から行動を"みる"、すなわち行動をシステムとしてとらえ直すことは、動物行動研究の次の展開に不可欠だろう。
本ラウンドテーブルでは、こうした視点を含む「システム行動学的思考」を背景に、多様な分野の研究者が集い、ミクロからマクロまで幅広い視点から動物行動を議論する場をつくる。
階層を越えた交流を通じて、新たな発想やつながりが生まれることを期待している。
企画者
浜道凱也(千葉大学)
登壇予定者
浜道凱也(千葉大学)
江指 万里(北海道大学)
上岡 雄太郎(東京大学)
土畑 重人(東京大学)
日時
11月23日(日)12時45分~14時45分(予定)
会場
函館市民会館大会議室
趣旨
イカは軟体動物では少数派の頭足類の主要な構成員であり、多数派の貝類とは姿形が大きく異なる。一方で、イカはヒトの眼に酷似する単レンズ眼、無脊椎動物最大の巨大脳を備え、動物界最速の多彩な体色変化、優れた学習能、機能的な群れ社会など、ユニークな解剖学的、行動学的特性を示す。このようなことから、イカは海の霊長類とも呼称され、動物の知性や認知の進化を考える上でも注目されてきた。
他方、日本においては重要な水産資源として、イカは長く人々の暮らしの近くにあった。
近年、進展が見られるイカの行動を中心とした知見について、適応度の根幹をなす繁殖、行動の基盤となる視覚、これらの歴史を語る古生物、そしてイカに多くの示唆を与える頭足類のもう一つの構成員タコの認知などをトピックスとして、イカという動物をイカにゆかりのある道南の古都で見つめ、考えたい。
企画者
池田譲(琉球大学)
登壇予定者
池田譲(琉球大学)
佐藤成祥(東海大学)
櫻井裕真(北海道大学)
伊庭靖弘(北海道大学)
川島菫(琉球大学)
日時
11月24日(月)10時00分~12時00分(予定)
会場
函館アリーナ多目的会議室A
趣旨
動物行動の記述、例えば採餌は、その動物が採餌とは無関係な行動を発現する機会を与える装置となりうること、すなわち、動物との干渉を含意する。適応や人間との類似性にからめとられない動物のありかたは、記述における干渉という側面を観察者が受け入れるときにあぶりだされるであろう。
本企画では、そのような動物の自由の可能性を議論する。
企画者
森山徹(信州大学)
登壇予定者
加賀谷勝史(北見工業大学)
釜屋憲彦(北海道大学)
染谷昌義(北海道大学)
森山徹(信州大学)