☆ルーテル教会とは
ルーテル教会は16世紀ドイツの神学者マルティン・ルター(マルチン・ルーテル)の宗教改革に始まるキリスト教会です。ルター派とも呼ばれています。ルーテル教会はドイツの諸侯たちを後ろ盾に広まり、北欧では国王を首長とする国教会を形成してきました。そこからアメリカ大陸へ移民として渡った人たちが中心となってアメリカでもルーテル教会が各地で誕生していきました。
日本での始まりは1892年(明治25年)にアメリカのサウスカロライナからやってきた二人の宣教師です。日本で一番最初のルーテル教会は佐賀に建てられました。アメリカ以外にもフィンランドの宣教師たちが明治期から来日し、長野を中心に教会を建てました。第二次世界大戦中、国策による教会大合同で日本基督教団に編入されることになりましたが、戦後に再び独立し、北欧やドイツの宣教師たちが建てた教会と一緒に新しい日本福音ルーテル教会になりました。
現在では日本全国に約120の教会があり、また教会以外にも大学、高校、中学校、幼稚園、保育園、児童養護施設、母子ホーム、老人ホーム、難民支援施設、学生寮、キャンプ場、ビジネスホテルなどを運営しています。なかでも熊本の教会は、歴史的にその発展の中核を担ってきました。熊本における社会福祉のさきがけである慈愛園をはじめ、多くの幼稚園・保育園、また九州学院とルーテル学院(旧九州女学院)による学校教育を通しても、地域に奉仕してきました。
その教えは、ルターの宗教改革の伝統に立ち、神さまの恵みを強調します。限界のある人間の力によるのではなく、神さまから与えられる恵みによって、わたしたちは安心して生きることができるようになる、と教えるのです。そしてこの神さまを信じる信仰は、なにより聖書のみ言葉によって養われます。ですから、どうぞ礼拝においでください。さまざまな不安にとらわれることの多い私たちですが、礼拝で語られる聖書の言葉を通して、ともに安心して生きることが出来る者とされていきましょう。
☆熊本教会とは
熊本教会の日本における歴史は、1893年アメリカ南部ルーテル教会のシェーラーとピーリーの二人の宣教師によってはじめられた佐賀での日本伝道がそのはじまりです。そして佐賀で按手を受けた山内直丸牧師が宣教のために熊本に到着したのが1898年9月のことでした(当時は日本の中でも5番目から6番目の大きな町で、人工は8万人、クリスチャンも200人ほどいたとピーリーの報告には記されています)。そして10月には六間町本渡屋薬舗跡の階上を仮会堂に最初の礼拝が守られました。それから120年、明治・大正・昭和と、教会は仮会堂を含め、7回の引越しをし、現在の水道町に旧会堂が建築されたのが1905年、戦争によって焼失した会堂が新しされ、現在の会堂が建てられたのが1950年のことでした。この間、教会は数多くの信徒、牧師、宣教師の祈りよって支えられ、邦人牧師も2022年4月に着任した小泉嗣牧師で13代目となり現在に至っています。