ごあいさつ
ごあいさつ
謹啓
時下、貴社におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたび,「日本放射線腫瘍学会粒子線治療部会2026」を2026年7月24日(金)・25日(土),秋葉原にございますアキバホールにおいて開催いたします.本大会では,特別講演の他,シンポジウム,ランチタイムレクチャー等を企画しております.
日本放射線腫瘍学会には4つの部会がありますが,本部会は,常設委員会である粒子線治療委員会が担当する粒子線治療の保険収載に関わる作業部会として2022年に発足しました.今回,国内における粒子線治療の臨床研究活動を牽引してきた日本粒子線治療臨床研究会と発展的に統合し,研究,人材育成,啓蒙活動など,これまで以上に幅広い活動を実施していくことになり,その第一歩として,他の部会と同様に年次大会を開催する運びとなりました.その記念すべき学術大会をお世話させて頂くことを大変光栄に感じるとともに身の引き締まる思いです.
日本粒子線治療臨床研究会は,陽子線治療,重粒子線治療が先進医療として認可を受けた直後の2004年1月,放射線医学総合研究所に事務局を設置して国内での研究活動や技術開発を推進させることを目的に活動を開始しました.同年12月4日には,辻井博彦大会長のもと,第1回研究会が120名を超える参加者を得て盛況に開催されました。特別講演には梅垣洋一郎先生を招聘し,「なぜ私たちは粒子線治療をめざしたか」というタイトルでご講演を頂きました.偶然にも放医研で研修中であった私は,粒子線治療の素晴らしさと粒子線治療開発プロジェクトチームの努力と熱意,さらに,画像技術の応用,本邦の高齢化社会,医療安全の意識向上,ビッグデータによる効果予測モデルの確立,などの恩恵を受けることが予想される放射線治療は,未来のがん治療として最適である,とのお話に感銘を受けたことを記憶しております.
粒子線治療は,我が国を中心として発信してきたエビデンスを基に,世界で130を超える施設で提供されています.一方,これまで粒子線治療を牽引してきた本邦では,保険収載に向けた活動が主体になり,新たな研究開発を行うことが難しい状況が続きました.その結果,粒子線治療に関するエビデンスの主な発信は海外に移りつつあります.そこで,この分野における真のリーダーとして臨床研究を深め,治療技術と成績の向上,ならびにその普及にこれまで以上に貢献することを目的として,20年を超える歴史を有する日本粒子線治療臨床研究会を公益社団法人として4,500人の会員,1,500名の放射線治療専門医を有する日本放射線腫瘍学会に統合することで,その諸活動を飛躍的に活性化させることが期待されています.そこで今回のテーマは「温故知新」,サブテーマを「パイオニアから真のリーダーへ」といたしました.是非,多くの方にご参加頂き,先人たちが何を見据え,どのような戦略をどのような理由で計画したのかを知り,現状の課題をどのように克服すべきか,皆で真剣に将来を語りあえる場になれば幸いです.
謹白
2025年10月吉日
日本放射線腫瘍学会粒子線治療部会2026
大会長 石 川 仁