人類学教育ワークショップ

2023年6月3日(土)・6月4日(日)

 日本文化人類学会第57回研究大会・開催校企画

県立広島大学広島キャンパス

教育研究棟2・3階(2343室・H会場)

 日本文化人類学会第57回研究大会では、開催校(広島地域)企画として、2件のワークショップを実施します。大学内外での人類学教育への関心を受け、今回は、医学教育とフィールド教育をテーマとして、事前申し込み式の参加型ワークショップを企画しました。

研究大会参加者のみなさまは、以下の概要を確認のうえ、参加をご検討ください。

応募期間:2023年5月1日(月)~2023年5月29日(月)
* 応募期間を延長しました(5/15)。企画ごとに定員に達した時点で受付を終了します。

ワークショップ1 

人類学教育の可能性を探る――医学教育との協働を例に

企画代表者:浜田明範(東京大学)

企画・組織者:医療者向け人類学教育連携委員会:飯田淳子(川崎医療福祉大学)、梅村絢美(名古屋大学)、倉田誠(東京医科大学)、星野晋(山口大学)
ゲスト・医療者

井上 和興(大山診療所/鳥取大学/JAIST)

大島 埴生(岡山リハビリテーション病院)

徳増 一樹 (岡山大学)

那須 徹也 (あすかい病院)

宮地 純一郎(北海道家庭医療学センター・浅井東診療所/名古屋大学総合医学教育センター)

森下 真理子(京都大学医学教育・国際化推進センター/仁和診療所/名古屋大学総合医学教育センター)

開催日時:6月3日(土)10時~12時

対象者:医療者向け教育に関心のある人類学者、ワークショップ型の教育手法に関心のある人類学者

募集定員:20名程度

申込み期間:2023年5月1日~29

申込み方法:申込みは締め切っています。


概要:大学における人類学および近接領域の専門課程の外側においても、人類学を学びたいという需要が増えています。このような場合、人類学専攻の学生向けの教育内容とは異なるもの、例えば、従来の90分✕15回にとらわれない形で、また、講義形式というよりはワークショップ形式での学びが求められていることも多くあります。

本ワークショップでは、そのような場面のひとつである医学教育における人類学教育を例に取り、どのような期待のもとにどのような依頼が来る可能性があるのか紹介した上で、それらの依頼に応答するプログラムを企画者と参加者、及び参加者同士の対話を通じて検討・開発することを目的とします。

医学教育においては、2016年に公開された「医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)」に、文化人類学(および社会学)の内容が日本の医学教育史上初めて組み込まれています。また、「医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改定版)」においても、引き続き、文化人類学の内容が掲載されています。

これを受けて2017年に本会に設立された「医療者向け人類学教育連携委員会」では、2019年、2022年と、2回にわたって医学生向け人類学教育を検討するためのワークショップを実施してきました。今回、それらの経験を踏まえ、研究大会の場でスピンオフのワークショップを実施することによって、これまでとは異なる層の参加者に連携委員会の活動の成果を共有する機会を設けたいと考えております。

お問い合わせ先浜田明範 hamada@anthro.c.u-tokyo.ac.jp

ワークショップ2

フィールド教育の可能性を拡げる――場づくりとファシリテーションの実装に向けて

企画代表者:箕曲在弘(早稲田大学)

企画・組織者:小西公大(東京学芸大学)・二文字屋脩(愛知淑徳大学)

開催日時:6月4日()8時40分~10時40分

通常のプログラムより開始時間が早いのでご注意ください


対象者:国内外のフィールドへの学生引率、およびプロジェクト型学習(PBL)科目を担当している/する予定のある大学教員、およびフィールド教育に関心のある方々

募集定員:20名まで

申込み期間:2023年5月1日~29定員に達するまで

申込み方法定員に達したため締め切りました。


概要:近年、短期海外研修やプロジェクト型学習を正規科目として実施する大学が増えています。こうした流れを受けて、学生引率やフィールドワークの指導が可能な大学教員を雇用する傾向が高まっています。フルタイムの大学教員への雇用が狭き門となっている今日、フィールドワーク経験に長けた人類学者には、こうした傾向は追い風となっています。しかし、自身のフィールドワーク経験をそのまま教育の場面に置き換えることは難しく、フィールド教育経験のない人類学者は、このようなニーズに十分対応できていません。


そこで、本ワークショップでは、次の2つのタイプの方々を対象に、フィールド教育への理解を深めてもらうとともに、その可能性を模索していくことを目的とします。第一に、すでにフィールド教育を行っている大学教員には、自身のプログラムを通して、人類学的な態度や発想を参加者に身につけてもらうために、どのような工夫が可能かを考えてもらいます。第二に、将来的にフィールド教育に携わってみたい人類学者には、先行者の経験を共有してもらいつつ、フィールド教育の現実や可能性に触れてもらいます。


具体的には、本ワークショップ企画者3名が2021年3月に上梓した『人類学者たちのフィールド教育』において提示した人類学的な態度としての3つのコンピテンシーを紹介し、ワークショップ参加者の中ですでにフィールド教育を実践している方々のプログラムを題材として、これら3つのコンピテンシーをどのように埋め込むのかを考えてもらいます。


本ワークショップを通して、フィールド教育の愉しさを体感してもらうと同時に、フィールド教育を研究とは切り離された活動ではなく、研究実践と同程度に重要な活動として捉えてもらいたいと考えています。


お問い合わせ先:箕曲在弘 minoo@waseda.jp