一般社団法人日本ソムリエ協会名誉顧問(同二代目会長)
熱田貴が厳選する伝統工芸品をご紹介します。
お六櫛
お六櫛(おろくぐし)は、長野県木曽郡木祖村薮原で生産される長野県知事指定の伝統工芸品です。
梳き櫛・解かし櫛・挿し櫛・鬢掻き(びんかき)櫛などがあります。
わずか10cmにも満たない幅に、およそ100本もの歯が挽かれたミネバリの小さな櫛は、江戸時代から中山道の名物、御嶽信仰や善光寺参りの土産として全国に知られていました。
お六櫛伝説
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持病の頭痛に悩んでいた村娘お六が、治癒を祈って御嶽山に願いをかけたところ、ミネバリで櫛を作り、髪をとかしなさいというお告げを受けた。お告げのとおりに櫛を作り髪を梳いたところ、これが治った。ミネバリの櫛の名は広まり、享保の頃になると、中山道藪原宿の名物として作られるようになった。
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ロブマイヤー
ロブマイヤー (独: J. & L. Lobmeyr GmbH) は、1823年の創業のオーストリア・ウィーンのガラス工芸メーカーです。
高品位のクリスタル・ガラス製の食器やグラス、花瓶、シャンデリア等を製造、販売することで世界的に名が知られています。その美しいうえに驚くほど軽く丈夫なガラスは、かのハプスブルク家御用達の栄誉に浴しています。
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古伊万里
古伊万里は国内の磁器生産ではトップとも言える有田焼の一種で、主に江戸時代に生産された有田焼や周辺の三川内焼・波佐見焼なども含めた総称として呼ばれています。
17世紀に当時の朝鮮より持ち込まれて以降、様々な様式を生み出す中で進化していった有田焼は、江戸時代になると肥前国を治めていた鍋島藩により職人の保護や育成が行われるようになります。
19世紀になるとジャポニズム(日本趣味)として日本の浮世絵や工芸などが世界中で人気を集めるようになり、とりわけ西洋の作家に影響を与えました。
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寄木細工
様々な樹木が持つ自然の色を活かし、それぞれ集めて精緻な幾何学模様を作り出す技術、それが箱根寄木細工です。寄木細工とは、その名の通り「木を寄せ集めて」つくる工芸品のこと。
木の組み合わせにより色合いや風合いが様々に変化し、伝統模様は約60種類に及びます。さらに色や配置を変えると100種類にも200種類にもなると言われ、 「六角麻の葉」や「紗綾型(さやがた)」「青海波(せいがいは) 」「七宝矢羽(しっぽうやばね)」「鱗文様(うろこもんよう)」などが代表的な文様となります。
箱根駅伝の往路優勝トロフィーも寄木細工で作られています。
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南部鉄器
岩手県の伝統的工芸品である南部鉄器は、主に「盛岡市」と「奥州市水沢」で作られています。
職人の技術が詰め込まれた手作りの鉄器はとても丈夫で、「正しく手入れをすれば孫の代まで使える」といわれているほどです。最近ではモダンなデザインも増え、海外でも人気です。
南部鉄器はアルミ鍋に比べて1.5倍も熱が長持ちします。 また、熱伝導率が良いため加熱から沸騰までが早いだけでなく、保温性にも優れているので温度にムラができにくいのがメリットです。 熱が長持ちするため、南部鉄器内に食材を入れても温度が下がりにくく、料理が美味しくなる効果もあります。
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鳴門金時
「鳴門金時」は、温暖で降雨量の少ない瀬戸内式気候の徳島県鳴門市・徳島市・板野郡管内の砂地畑で栽培されたさつまいもです。 栽培される土質は海砂で水はけも通気性も良いうえ数年に一度砂を補給し、海水に含まれるミネラルも吸収し、味のよいいもとなります。
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日本人の魂
日本には何十年、何百年も前から職人(匠・名工・マイスター)が代々受け継いできた技術の結晶である、伝統工芸品が数多く存在します。
その職人芸はまさに神業と呼ぶべきもので、つくり手に神様が宿ることにほかなりません。
昨今の技術革新により機械化が進んだことで、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っています。そのため、上記のような手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、代々受け継がれてきた技術、ひいては神様の御業が失われようとしています。
今、わたしたちは改めて伝統工芸を見直し、日本人の魂と誇り、そして神様とのつながりを取り戻すときではないでしょうか。
「伝統的工芸品」って、どんなもの?
経済産業省のHPでは、以下のように定義されています。
1.主として日常生活の用に供されるもの
2.その製造過程の主要部分が手工業的
3.伝統的な技術又は技法により製造されるもの
4.伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの
5.一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの
上記5つの項目を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます。