研究の紹介

For the English version, please refer to my ResearchGate page.

これまでに

フィールドワークにより収集した地質・海洋学的情報と貝形虫化石などから得られた古生物学的情報とをもとに、過去の生物相や生物多様性の変遷を明らかにし、それらの情報に基づき、過去の環境の様相を復元することを目的とした研究に取り組んできました。

貝形虫とは

体長1mm以下程度のちいさな甲殻類です。このホームページの見出し写真に使用しているのは、その殻の化石です。貝形虫は、水溜りから深海にいたるまであらゆる水域に生息しています。たとえば、夏に水田をのぞいてみるとミジンコなどと共に動き回っているものを簡単に見つけることができます。

この貝形虫は、生息する場所の水温や塩分などの変化に敏感に反応し、その個体数や種構成、殻の化学組成を変えるため、重要な水環境の指標とされています。

また、丈夫な石灰質の殻をもつため堆積物中に化石として保存されやすく、その体の小ささから少量の試料から十分な量の個体を得ることができるため、群集解析などの定量的な古環境解析を適用することができます。

最近は

インド太平洋暖水塊域とそれをエネルギーの供給源とする暖流域を対象とした研究に精力的に取り組んでいます。

東インド洋、西太平洋の赤道地域には、インド太平洋暖水塊と呼ばれる地球上で最も表層水温の高い水隗が存在しています。この海域は、太平洋へと北流する黒潮、インド洋へと南流するルーウィン海流を介し、南北両半球へと大量の海水と熱をもたらすことにより、地球規模の気候の形成や変動に大きな影響を与えています。そこでこれらの海域における新生代の古環境変遷と生物相や生物多様性の進化の歴史を包括的に明らかにすることを目的に研究を進めています。

ほかにも人間活動が海洋生物相・種多様性に与える影響を明らかにすることを目指した内湾・汽水域での研究など幅広い年代およびテーマの海洋・地質・古生物学的研究に取り組んでいます。


・プロフィール(CV):岩谷北斗(Hokuto Iwatani

・ご連絡はこちらまで :hokuto.iwatani(at)gmail.com